さりとて、世界は廻る




a second / 間桐雁夜がその人物と初めて会ったのは、彼が中学生になる直前の春のことだった。
two seconds / 「魚じゃねぇよ。たい焼きは・・・菓子だよ」
three seconds / 「・・・君が思うほど、僕の力は美しいものではないよ」
four seconds / あの臓硯が何の見返りもなく手を差し出すわけがない。
five seconds / 海ではなく、それは炎のようだった。否、炎だった。
six seconds / 十五の春、雁夜は間桐を捨て、友を見捨てた。
seven seconds / 自らの言葉を世界に向けて発信する。それが己の使命のように感じていた。
eight seconds / 『雁夜、この知らせを聞いたのなら連絡をくれ。一刻も早くだ』
nine seconds / 間に合った。間に合ったのだ。桜はまだ感情を持っている。魔術師になんてなっていない。
ten seconds / 「あれは紛れもない臓硯様だよ」
eleven seconds / 「Time alter――10000x accel」
twelve seconds / 「みたせ、みたせ、みたせ、みたせ、みたせ。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」
thirteen seconds / 愉しげに唇の端を吊り上げて、臓硯はくつくつと喉を揺らす。
fourteen seconds / 「つまらん。つまらんぞ、雑種共が!」
fifteen seconds / レンタカーに乗り込み、雁夜はシートベルトを装着した。
sixteen seconds / 暗い孔が広がっていくのを、瞼の裏で、肌で、感じる。
end or continue? / 「僕は衛宮切嗣。君は?」





平成26年2月28日