01:「ザマぁみやがれ」
腕をものすごい力で握られた。
機械鎧だと気づいたときにはもう遅く。
噛み付くように―――いや、噛み千切るように口付けられていた。
金色の眼が、ひどく憎たらしく笑う。
「ザマぁみやがれ」
エドワードの言葉に、ロイはあからさまに眉を顰めた。
仕掛けたのはエドワードが先だった。
出会ってから四年―――実質的には三年。
その間、どれだけ相手のことを観察してきたか。
国家も認めるほどの優秀な頭脳をエドワードは持っている。
そしてロイもそれは知っていた。
自分がエドワードに見定められているということを。
知っていて、放置していた。
どうせ子供だから、と位置付けて。
そしてそれは一瞬で覆される。
「アンタ、すごい面白いのな。考えてることが手に取るように判る」
一歩引いて距離をとり、エドワードが楽しそうに笑った。
それがロイをわずかに不快にさせる。
「君に私のことを理解出来ると?」
「誰も理解なんて言ってないだろ。俺はただ、『判る』って言っただけ」
「興味深い話だ」
「うそ」
ニヤリという擬態語が正しい笑みで、エドワードは笑った。
「全然そう思ってないだろ。アンタはやっぱり『判るわけ無い』って思ってる」
「――――――当然だろう?」
認めたロイに、エドワードは肩を竦める。
「アンタって、本当にバカ」
眉を顰めた顔は見なかった振りをした。
気づいて欲しいのはそんなことじゃないのに。
アンタのことが判るのは、それだけアンタを想ってるってコトなんだよ。
「・・・・・・気づけ、バカ」
エドワードの呟きは、まだロイには届かない。
2003年11月26日