097:うそ





「・・・桜井さん」
呼ぶ声は柔らかに。



「風祭を見てたの?」
苦笑する顔は穏やかに。



「相変わらず可愛らしいね」
からかう仕草は明るさを出して。



「スキだよ、桜井さん」
見つめる瞳はとても優しく。



「・・・・・・・・・ダイスキだよ」
笑顔で、微笑んで。



本当のことなんて一つもない
だけど、それでも。



君への嘘だけが、俺を構成するすべてだったんだ。





2003年8月25日