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常に騒ぎの耐えない氷帝学園中等部男子テニス部部室。
そこは今、物音一つさえ立たぬほど静かな時が流れていた。
『宍戸、ジュースとって』
カキカキ
『自分で取りやがれ』
カキカキカキ
『オレより宍戸の方がれいぞうこに近い!』
カキカキカキカキ
『冷蔵庫くらい漢字で書けよ』
そう言い――――――じゃなくて、書きながらも宍戸は出来る限り音を立てないように冷蔵庫の扉を開け、スポーツ飲料のペットボトルを取り出した。
少し迷った後で、それを隣の鳳に渡す。
鳳は頷いて隣の日吉に渡す。
日吉は眉を顰めて隣に寝転がっている芥川を飛ばして忍足に渡す。
そして忍足は向日へとペットボトルを手渡した。
カキカキ
『サンキュー!』
『一年生って確か今日は体力測定でしたっけ?』
コクリ
カキカキ
『丸一日使うてやるからめっちゃ疲れるしなぁ。二年は来週やろ?』
カキカキカキ
『はい、多分。そうだよね、日吉』
コク
カキカキカキカキ
『俺ら三年はその後やな。嫌やわぁ』
カキカキカキカキカキ
『短距離に長距離、遠投や幅跳びとか全部一気にやりますから』
カキカキカキカキカキカキ
『面倒やな・・・。せやけどサボったら呼び出しやし』
カキカキカキカキカキカキ
『一度で済ませたいですよね』
コクリ
「んにゃ・・・・・・・もぉ食べ・・・・・・・・・」
バコッ
ゴシゴシ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なに・・・・・・?」
ガバッ
「!?」
カキカキカキカキカキカキカキカキカキカキ
『うるさいジロー!静かにしてろ!』
『寝とるんなら寝言言うんやない!』
『起きてるなら喋らないで下さい』
『筆談でお願いします。はい、ルーズリーフとペンです』
『大人しくしてろよ』
「・・・・・・・・・?」
キョロキョロ
「(あ)」
コクコク
○
ガチャ
「あの、跡部部長・・・・・・」
ドカッ
バタンッ
カキカキ
『立ち入り禁止』
ペタ
・・・・・・・・・パタン
『おきちゃった?』
フルフル
『あとべーかわってー』
ハン
『ずるいー』
プン
『ずーるーいー!』
ニヤリ
『ジロー、それ以上言っても無駄だから止めとけ』
カキカキ
『無駄ってなんてよむの?』
ガチャリ
ギロッ
「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」
チラッ
「・・・・・・・・・」
フム
「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」
カキカキ
『跡部と以外のレギュラーは部活に参加しなさい』
『『『『『『・・・・・・・・・・・・・・・・・・はーい』』』』』』
・・・・・・・・・パタン
「・・・・・・・・・けぇご、せんぱ・・・・・・?」
「あぁ、起きちまったか。まだ寝てろ」
「・・・・・・でも・・・」
「いいからホラ、寝とけ」
ポンポン
「後でちゃんと起こしてやるから」
「・・・・・・・・・ん・・・」
ナデナデナデナデ
ポンポンポン
ナデナデ
ポン
・・・・・・・・・・くぅくぅ
本日の氷帝男子テニス部部室はとてもとても静かである。
2003年9月17日