074:ベストフレンド





将来のゆめ:一年三組 跡部景吾

ぼくの将来のゆめは父の会社をつぐことです。
やっぱり跡部家の息子として生まれたからには、りょうしんの期待をうらぎらずにすばらしい息子として成長し、いずれ跡部グループの社長にしゅうにんし、会社を日本きぼでなく世界きぼとしてはってんさせたいと思っています。
そのためにはやはりゆうしゅうな人材をかくほすることが第一だと思うので、とないでも有名な氷帝学園ににゅうがくすることにしました。
ようちしゃの入学しけんはもちろんトップのせいせきで合格したし、それからのせいせきも何の問題もなく上位をキープしています。
しょとうぶに上がると、ほかのようちえんから来た生徒たちもいて、その中でもやっぱりぼくのせいせきは落ちません。
なぜかと言うと、それはぼくが天才だからです。
しかも天才であるのにあまんじず、さらに努力をしているぼくをだれが追い越せるというのでしょうか。
もしそんなことを出来る人がいるのなら、ぜひとも会ってみたいものです。
会ってもしその人が女なら妻にしてやってもいいし、男なら部下にしてやってもいいと思っています。
話がずれましたが、とにかくぼくの将来のゆめは社長になることなのです。
子供らしくないゆめだと言う大人は多いかもしれません。
ですが実現するかどうかもあやしいゆめを見るよりかは、今からこうしてかくじつな人生設計をしているほうがゆういぎだと思うのです。
ほかの人がむだなゆめを見ている間にもぼくは努力に努力をかさね、すばらしい社長への道をあゆんでいくことでしょう。
日本の跡部ではなく、世界の跡部になるのです。
そしてゆくゆくは経済ジャーナルの一面をかざるようになり、そうしたら母校のこととして氷帝学園の名を挙げてやってもいいと思っています。
いちおうはお世話になっているのですから。
ひゃくまんちょうじゃランキングのトップに立つまでは現役でいたいです。
そのためにはやっぱり日々すばらしい社長になるために努力していきたいと思います。

<以上、氷帝学園初等部文集より抜粋>





将来のゆめ:一年三組 

わたしの将来のゆめはおよめさんになることです。
社長になるのもいいなぁと思ったのですが、りょうしんの会社をつぐのは一人娘であるわたしにはとうぜんのことなので、あえておよめさんにしてみました。
だって「社長はおよめさん」っていうよりも「およめさんは社長」って言ったほうがひびきがよいような気がするので。
将来およめさんになるために、わたしは今からちゃんと努力をかさねています。
りょうりはうちのシェフにならっていますし、おかしはパティシエにならっています。
掃除やせんたくはメイドさんに教えてもらっているし、家計のやりくりやこうねつひとかの払い方もしつじに教わっています。
れいぎ作法はばあやにならい、帝王学はかていきょうしの先生にならい、裏テクは母にならっています。
こうしてじゅんぷうまんぱんに進んでいるわたしの道なのですが、これには大きな問題が一つあるのです。
そう、それは「おむこさん」についてなのです。
わたしがえらんだ人なら、それはきっとすばらしい人なのだろうと思うのですけれど、そのすばらしいおむこさんに出会えるかどうかがものすごく心配なのです。
わたしの理想のおむこさんの条件は、頭がよくて、運動神経もよくて、あいそう笑いが出来て、優しくて、気配りができて、わたし好みの容姿をしていることです。
あまり高い条件ではないと思うのだけれど、今まで生きてきた6年と少しの間には出会えなかったので、もしかしたら一生出会えないのかと不安に思っています。
頭がいいと言っても一流大学とかそういうことじゃなくて、経営のノウハウをちゃんとわかっていることのほうが大切だし、運動神経もゆうかいされても自分で切り抜けられるくらいにあれば十分です。
あいそう笑いはやっぱり上流階級の基本だから必要だし、優しさはわたしにだけ示してくれればそれだけでいいんです。
容姿だってそんなに高い理想をかかげているわけでもないのに、なぜかおむこさんこうほを見つけることが出来ていません。
やっぱりもう少しレベルを下げないといけないのでしょうか。
人生にはだきょうも必要だろうけれど、こんなに若いうちからだきょうしてもよいものなのだろうかと迷っています。
でもこんなことで悩んでいたら人生をあかるく過ごせないと思うので、これからもがんばってよいおむこさん探しを続けていきたいと思います。

<以上、氷帝学園初等部文集より抜粋>



疑いもなく同類の人生を歩んでいる二人であった。





2003年7月15日