040:あやかし
色素の薄いふわふわの髪。
耳元で光るピアス、指を飾るリング、細さを強調するバングル。
前後は開き気味でギャザーがサイドを飾るブルーグレーのカットソー。
真っ白の太いベルトに同色の鞄。
浅い色の細みのデニム、足元には高さのあるサンダル。
最低限のメイクだけで十分すぎるほどに輝く可愛らしい顔。
シルバーラメ入りコーラルピンクで彩られた唇が弧を描いて。
ネイルを施された爪を合わせて彼は、笑う。
「俺を犯そうなんざ1000年早いんだよ――――――――――下種が」
足元に転がる男たちを踏みにじって、はもう一度哂った。
「、おまえどこに行ってたんだよ!?探したんだぞ!」
自分の姿を見とめて駆け寄ってくる裕太には笑った。
嬉しそうにほんのりと頬を染めて小走りに近寄る。
「ごめん、可愛い服があったからちょっと見とれてた」
「そういうときはちゃんと声かけろよ」
「うん、ごめんね」
そう言って腕を絡めてくる幼馴染に裕太は小さく肩を落として。
「・・・・・・どこの店だよ?」
「そこの通り。白のニットパーカーとホルターキャミが可愛くって!」
「キャミはまずいだろ、キャミは・・・・・・」
溜息をつきながらも笑って元来た道を引き返す。
路地裏には、目もくれずに。
つけ爪の間にこびり付いた血にコレはもう捨てなきゃな、と考える。
「・・・・・・・・・このネイル、お気に入りだったんだけどなぁ」
「何か言ったか?」
「んーん、何でもない」
振り向いた裕太に、ニコリと笑って。
先ほどとは違う、本当に愛らしい顔で笑って。
組んでいる腕に頬を摺り寄せて、はとても楽しそうに哂った。
2003年7月15日