神様が生まれた日



俺たちは、生まれた





WHITE CHRISTMAS





真っ暗な家、電気一つ点いてない
だって親父は知り合いと宴会だし、母さんは仕事仲間とパーティー
奈々子さんも恋人とデートって言ってたし
だから、誰もいない



誰も、いない



俺は玄関先に座り込んだ
石の床がちょっと冷たいけど耐えられないわけじゃないし
切らしていた息を整えて
吐く息が、白かった



会いたいよ



早く朝になって



帰って、来て





I’m dreaming of a White Christmas





色とりどりの電球が真夜中近くなのに照り輝いて
恋人たちが街を歩く
その中をすり抜けて
ぶつかった相手に振り向いて謝って
走る足は止めずに



少しでも早く



帰れるように





Just like the ones I used to know





先輩たちから貰ったプレゼント
開ける気がしなくて
引き戸の向こうでカリカリと硝子を擦る音がした
たぶん、カルピン
っていうかそれしかない
でも、ごめん



今はを待っているから



だけが、欲しいから





Where the tree-tops glisten





どうして俺は走ってるんだろう
頭ではそう考えるのに
身体は家へと向かって足を止めない
待ってる気が、するから
待っていて、欲しいから
リョーマに会いたい



リョーマに、会いたい





And children listen to hear





誕生日なんて大した意味もないと思ってた
年を一つ、取るだけだから
街中がキリストと一緒に俺たちを祝福してるみたいで
うるさいと思ったこともあった



なのになんで



こんなにも会いたいんだろう





The sleigh-bells in the snow





隣にいたから気づかなかった
一緒にいたから気づかなかった
いつも傍にいて
どんなときでも一緒にいて
それだけで満たされていたから
気づかなかった



意味がなかったんじゃない
幸福を日常だと思ってたんだ



今は、違う





I’m dreaming of a White Christmas





会うことさえ容易じゃない





With every Christmas Card I write





会いたいときに会えない





Please Father Christmas





「―――――――――――リョーマ!」
乱暴に開かれた門
闇に浮かぶミルク色のマフラー
俺と同じ、声



「・・・・・・・・・・・・」





May your days be merry and brigh





「何やってんだよこんな所で! 風邪でも引いたらどうすんだよ!」
掴んで引き上げた腕がコート越しにも冷たかった
吐く息が白い
闇夜に映える
俺を見上げてくるリョーマの瞳が揺れた



「・・・・・・――――――!」





And may all your Christmas be white





抱きしめたは温かかった
これならどんなに寒い世界でも生きていけるって思った
伝わる熱がもどかしくて
とてもとても温かくて



涙が、出た





Please Father Christmas





「誕生日、おめでとう」





I want to be with you in White Christmas





「誕生日、おめでとう」





I want to be with you in Birthdays





会えてよかった





Please Father Christmas





会いたかった





Dear mine





少し遅かったかもしれない
日付も変わっていたかもしれない
でもそんなことどうだっていい
抱きしめたぬくもりさえあれば、そんなもの



関係ないって思った



誕生日だからか
クリスマスだからか
どっちか判らなかったけど





今、俺たちは確かに幸せだった





Merry Christmas & Happy Birthdays





2002年12月24日