王子様、天使と出会う(おまけ)
無事にハンターライセンスを手にし、長い講習を受けた後でキルア君はちゃんに話しかけました。
「・・・・・・な、なぁ」
「?」
「この後さ、おまえ暇? 試験早く終わったしさ、何か食ってかねぇ?」
「・・・・・・」
「もちろん俺おごるし。たった二人の同期だしさ、ホームコードも交換しようぜ」
もしもここに彼の師であるビスケさんがいたのなら、きっと声を上げて笑うことでしょう。それだけキルア君はしどろもどろだったのです。でも仕方ありません。キルア君は幼い頃から暗殺者としての教育を施され、女の子と触れ合う機会なんてなかったのですから。
ある意味彼の「初めて」になったちゃんは、こてんと首を傾げました。試験が終わったらすぐに連絡するよう、彼女はいつも一緒の彼から言われています。だけどちょっとだけ考えて、ちゃんはこくりと頷きました。途端にキルア君がパァッと顔を輝かせます。
「じゃあ早く行こうぜ! 俺はキルア! おまえは?」
ちゃんの小さな手が、宙に文字をつづります。彼女の名前を知れてさらに笑顔になったキルア君は、ちゃんの手を取って走り出しました。
そんな可愛らしい二人をハンター協会の会長さんは、自慢のひげを撫でながら見送ります。
「若いとはいいのう」
ほっほっほ、という笑い声がその場に響きました。
何かを察知したらしいイルミさんが仕事を終えてちゃんを迎えに来るまで後三時間。
とりあえずその間は幸せなキルア君なのでした。
ゾル家兄弟さらに争奪?
2006年7月5日