ワールドカップイヤーなのでGIFTに萌えると仰って下さった方へ捧げます。
西城敦×GIFT主人公(?)の完全なBLドリームなので苦手な方はお気をつけ下さい。
100題にある笛キャラによる↑CP萌え話を読むと、更に楽しめるかもしれません。






青の王冠





手に入れた金色の杯は、真っ先にその殊勲者へと渡された。
男にしては細い指先で、がそれを受け取る。横から伸ばされた大きな掌に彼は笑い、濃茶の瞳を細めた。
いつもは穏やかに浮かべられる微笑が、今は明るく華やいだものになっている。その笑みが愛しくて、抱く歓喜が嬉しくて、それを彼にもたらすことの出来た自分が誇らしくて、敦はもう片方の手でを抱き寄せた。
そして二人は同時に、勝者の証であるカップに口付ける。



「「優勝おめでとう!」」
ドイツビールの栓を開けて、乾杯したときはすでに日付を越えていた。
試合直後に関係者に祝われ、ホテルでは日本代表の皆で盛り上がり、祝電やら何やらで散々騒いで、部屋に戻ったのは深夜二時すぎ。
おそらく今もホールでは他の選手たちが飲んだり歌ったりしてるだろう。本来ならば監督たちが止めるだろうが、今日だけは無礼講だ。
なんたって今日、サッカー日本代表は初めてワールドカップを制したのだから。
「すごいね、夢みたいだ」
スーツのジャケットとネクタイを脱ぎ捨て、ラフな格好では笑う。
「夢ではないぞ、クン。我々は確かに優勝を手にしたのだ」
「だからこそ夢みたいなんだよ、西城。ワールドカップは夢の一つだったから」
「そう、この日を目指して我々は日々練習を積んできた」
コップに注がず、ビンから直接ビールをあおる。すでに幾分かのアルコールを摂取しているの頬は、今は薔薇色に染まっていた。
いつもはザルな彼のこの様子に、どれだけ興奮しているのかが見て取れる。白い肌と紅潮した頬のコントラストに、思わず敦は見惚れた。
「どうしよう、西城。嬉しくてたまらない」
笑うの表情がまた、今日は幼くて可愛らしい。
何だか急に手の中のビールがぬるくなった気がして、まずいな、と敦は心中で思う。
そんな彼の心情も知らず、は片方の膝を抱えて、にこっと無邪気に微笑みかける。
「これも全部、西城のおかげだよ。西城が俺とずっと、サッカーをしてきてくれたから」
「・・・・・・チームメイト、みんなのおかげではないのかね?」
「うん。それもあるけど、何より西城のおかげだよ。だって俺は西城がいたからピッチの上でも強くあれた。西城がいてくれたから、安心してプレーできた」
まるで子供のように、はソファーの上で両膝を抱える。
「ワールドカップだけじゃない。今までずっと西城がいてくれたから、俺はサッカーを続けてこれた。俺がプロとして活躍してるのも、日本代表になれたのも、ワールドカップでMVPに選ばれたのも、全部全部西城がいてくれたから」
「・・・・・・っ」
「西城がいてくれたから、今の俺があるんだよ。ありがとう、西城。愛してるよ」
今日のは喜びのあまり、どこかのロックが外れたのかもしれない。
いつもはどんなにねだっても言ってくれない愛の言葉を、いとも簡単に口にしてくる。
不意打ちを食らう形となった敦は堪らない。もはやビールの味など感じられず、半分以上残ったそれをテーブルの上に押しやった。
代わりにの頬へと手を伸ばせば、彼はゆるく微笑んでそれを受け止める。アルコールのせいなのか、頬はやはり染まっている。
「・・・・・・クンさえ望むのなら、次のワールドカップも西城がお供すると約束しよう。その先も、例えどのチームに移籍しようとも、引退する日が来ようとも、ずっと傍にいることを約束しよう」
「ほんと? 西城の人生、俺にくれるの?」
「あぁ、だけどクンの人生と引き換えだ」
「ふふ、まるで結婚式だね」
笑うに敦も笑った。そっと身を乗り出して距離を詰めると、互いの前髪がさらりと触れ合う。ゆっくりとまぶたを閉じながら、が楽しげに囁いた。
「婚約指輪は二ついるよ?」
「ならば四年後にまた獲るとしよう」
とりあえず今日は、一つの金のカップを手に入れた。



静かに音を立てて、の体がベッドへとおろされる。
昼間の決勝戦で酷使した身体には、今は心地よい疲労だけが残っている。
満足しているのだけど、高揚する気持ちが止まらない。揺り動かされる熱をそのままに、敦はの首筋へと唇を滑らせた。
「ん・・・・・・っ」
悩ましげな吐息がの口から漏れる。シャツのボタンを外して手を滑りこませれば、声は一層大きくなった。
「・・・・・・ワールドカップ様様だ」
ぽつりと呟いて、敦は指先を走らせる。やんわりと鎖骨をなぞり、そっと立ち上がり始めた飾りへと触れる。
「・・・あ・・・っ・・・ん・・・」
「可愛すぎるぞ、クン。いつものクンも大好きだが、これはこれで良いものだな」
「やぁっ・・・・・・さいじょ、はやく・・・・っ」
「・・・・・・本当にかわいい」
ねだられるままに口付けを与え、片方の手を腰のラインに沿わせておろしていく。やはり歓喜の影響のせいか、いつもよりも反応が早い。
「あ・・・っ!」
自身も堪えきれず、敦はするりと指を差し入れ、の中心へと触れた。



−中略−



「ずっと一緒だよ、西城」
「もちろんだとも、クン。永久に君を愛しているぞ」
勝利から一夜を経たドイツの街は白い朝焼けに染まる。
2010年ワールドカップを目指し、王者の戦いが今まさに始まろうとしていた。






以上、2006年ドイツワールドカップ記念本『青の王冠』より抜粋。
もちろん実際は中略されたシーンもばっちり入ってます! いつもより可愛いクンと動揺しつつしっかり攻める西城をお楽しみ下さい(笑)

サークル名:トレセン1983−1984
タイトル:青の王冠
内容:2006年ドイツワールドカップを舞台にした西城敦×
装丁:B5・オフセット・21ページ
価格:500円

夏コミ参戦は8月12日、スペースは東1ホール・J-31J0Hです。周防VS明希人VS西城→の無料コピー本も用意しているので、よろしければ是非! 皆様のお越しをお待ちしております!





いや、もちろん嘘ですから。久堂は夏コミ出ませんので。とりあえずワールドカップGIFT萌えな一部のファンの方の活動を描いてみました。く、苦情はご遠慮下さい・・・。
2006年6月5日