「うっわああああああああああああああっ!」
は世紀末のごとき悲鳴を上げて飛び起きた。





プリンス・プリンス





「お、おおおお、お、怖ろしい夢を見た・・・・・・っ!」
「へぇ、どんな?」
「何か私がどっかの女子校に入学する夢で、そこには『王子制度』って変なのがあって、それは女の子ばっかでウキドキ感のない女子校に少しでも潤いを与えるためのものでっ!」
「あら、素敵」
「王子様に選ばれたら行事では男の格好をしてステージとかに立たなきゃいけなくて、そうでなくてもいつも王子様扱いされなくちゃいけなくてっ!」
「まるでアイドル?」
「まさにそうっ! 女の子に告白されるのは日常茶飯事! 気を抜けばチュウされる、抱きしめてあげるのはサービス!? 同性にそんなこと出来るかっ!」
「んー人それぞれじゃない?」
「とにかく! そんな王子様に私が選ばれることになって! 先代王子様から称号とか受け継いじゃって!」
「先代って?」
「何か一人は美人でチョコとコーヒーが大好きで大人っぽくって統率力のある笑顔がめっちゃ魅力的な人で! もう一人はテンション高くてでもそれが可愛くてゲームとコスプレが大得意な万能大和撫子さんで!」
「うっわ、会ってみたい」
「そんな二人が私に『王子様』って書かれたタスキを渡すんだよっ! 美人さんにそんなことされて断れるわけ無いじゃんっ!?」
「まぁそうだねぇ」
「しかも何か姉妹校の男子校では『王子制度』の逆版の『姫制度』ってやつがあって! そこでは何か覇者様とその従兄弟の可愛いけど暴君そのものみたいなひとが姫やってて! 覇者様に姫なんて恐れ多すぎるし! つーか似合いそうだけど美しすぎてどうしよう!? 絶対に私より美しいって、覇者様もその従兄弟も!」
「あはは、褒めてくれてありがとー」
「で、えっと何だっけ!? とにかく私が王子様なんだよっ! 今でも充分男に間違えられてるってのに、跡部にナンパとかやらされてんのに、これ以上男になってどうする!? つーか女子校!? そんな怖ろしいとこ行って溜まるかっ!」
「そう? 秘密の花園じゃない」
「私にとってはお化け屋敷よりもホラーでスリラーだ!」
「確かに同性なら遠慮も何もなく出来ちゃうもんねぇ。男と違って傷つけられることもないし、いわゆる数にも入らないし?」
「おおおおおおおおおお怖ろしいことを言うなぁっ!」
「でもそう言われると、叶えたくなるのが魔法使い」



はた、と気がついて振り向けば、机の上に魔女っ子が。
にこやかな笑顔の彼女に待ったをかける隙もなく。
素敵に華麗にキラキラステッキは振り下ろされた。

「さぁ、夢の世界にいらっしゃーい!」

遠ざかっていく意識の中で、は思った。
どれもこれも美少年に生まれた私が悪いのか? いや、私は悪くない。つーか神様の馬鹿野郎、と。





つだみきよ先生の「プリンセス・プリンセス」カバー下漫画より。
2006年4月7日