ディアッカ、熱く語る(『All is For You』アンケート御礼夢)
ディアッカ・エルスマンは語っていた。
「やっぱ女はスタイルだよなぁ。おまえ、胸と足どっち派?」
ペラリと雑誌のページをめくりながらディアッカは問いかける。
休憩室のソファーに座っている彼の隣でデータの確認をしていたは、端正な顔を僅かに歪めて立ち上がろうとした。
けれどすぐさま伸びてきた手に腕をつかまれ、再びソファーへと沈められる。
がっしりと肩を組まれて、はさらに眉間の皺を深くした。
「おいおい逃げんなよ。男同士なんだし気にすることないだろ?」
「そういう話ならイザークとやれ。アスランでもいい」
「あいつらじゃこの手の話は無理なんだって」
「俺も断る。女は嫌いだ」
きょとん、とディアッカは目を見張る。
は無理やりに腕を払って再度立ち上がり、やはりまた伸びてきた手を軽い仕種で避ける。
けれども今度は雑誌を目の前に突きつけられ、不可解そうに眉を顰めた。
「これ見て何も感じないのかよ!?」
色鮮やかな写真には、見開きで水着姿の女性が写っている。
ぷっくりとした唇と潤んでキラキラとした目。寝そべっていることで強調されている柔らかな身体は、一言で言えば豊満だった。
はそれを一瞥し、おもむろに手を挙げて。
「―――あぁっ!」
叩き落とされた雑誌にディアッカが駆け寄る。
拾い上げて角が折れていないかを確認すると、心なしか「ざまぁみろ」という顔をしているを見上げる。
「まさか、おまえ・・・・・・」
戦いの最中でも滅多に見せない真剣な顔で、ディアッカ恐る恐る呟いた。
「クルーゼ隊長の愛人だって噂はマジだったのか・・・・・・?」
アスランやイザークをも一撃で倒すの蹴りが、ディアッカの脳天に直撃した。
ディアッカがプラントの病院へ搬送されずに済んだのは、ひとえに彼の打たれ強さとパイロットとしての反射神経のおかげかもしれない。
まだ痛みを訴えている頭をなでている彼に、は侮蔑の眼差しを寄越す。
「これ以上くだらない事を言ってみろ。次は宇宙の藻屑にしてやる」
「・・・・・・・・・わ、悪かったって」
「それにクルーゼ隊長は結婚していらっしゃらないから、愛人は相応しくない」
注意を付け加えたに、やっぱり噂はマジなんじゃ、とディアッカは再度思ったが口にはしなかった。
その代わりに千切られて山になってしまった雑誌を名残惜しげに掻き集める。
ディアッカ秘蔵の水着お姉さんたちは、彼が気絶している間にの手によってびりびりに破かれてしまったのだ。
まるでパズルのようになってしまったグラビアに、ディアッカは深い溜息を吐く。
「だけどよぉ・・・・・・おまえ16だろ? その歳で女に興味ないってどうなんだよ」
冷ややかな視線に少し肝を冷やすけれども、ディアッカとて伊達にあのイザークと幼い頃から知り合いをやっているわけではない。
だがの方が怖いな、などと思いながらも話を続ける。
「あのイザークですらグラビア見りゃそれなりに反応して怒るし、アスランやニコルなんか真っ赤になるぜ」
ラスティやミゲルなんかは変わんねぇけど、とディアッカは言って、チラリとを横目で見る。
滅多に感情を表さない顔は今も冷たく、深い色の瞳がただ静かにそこにあった。
確認せずとも動揺ゼロ。見事なくらいに反応なし。
「・・・・・・つまんねぇの」
ディアッカは知っている。はその容姿や立場から、ザフトにいる女性士官たちの間で評判が良いのだ。
その気になれば恋人の一人や二人は簡単に作れそうなのに、本人は「女が嫌いだ」と言ってその美味しい状況を足蹴にしている。
勿体無い。ものすごく勿体無いとディアッカは思わずにはいられなかった。
「・・・・・・よし」
一人で頷くディアッカから少し距離を取り、は警戒する。
伸びてくる手に腕を捕まれ、本気で潰すか、と心中で考えた。
けれどディアッカは一応エリートであり、クルーゼの駒の一つだから勝手に捨てるわけにもいなかい。
これもクルーゼ隊長のためだ、とは自分に言い聞かせて、とりあえず大人しくディアッカの言葉を待った。
何だか不吉な予感がする、と思いながら。
ディアッカは何度か頷いて、納得したようにの両肩に手を置いて言う。
「今度の休み、一緒にナンパしに行こうぜ! 大丈夫だって、おまえも付き合ってみりゃ女を好きになるからさ!」
本日二発目の蹴りを食らわせた直後、はハッとして呟いた。
「・・・・・・・・・すみません、クルーゼ隊長」
ディアッカは数日間、使いものにならなさそうです・・・・・・と。
アンケート内容(結果)
1:一押しの女性キャラ(ステラ)
2:その他一押しキャラ(レイ)
2005年7月27日