092:マヨヒガ





朝起きたら隣に翼さんがいた。
ここで金を置いて逃げ出せば援助交際が成立するのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、私が金を払うってことは私がオヤジ役?
あぁでも翼さんの女子高生はハマってるからそれでもいっか。



まぁ逃げ出すほど甲斐性が無いわけでもなく、というか払う金もなく。
その上二人して服を着ているから援交も成立していないっぽい。
あー良かった。翼さんを傷物にした日には殺されても文句が言えないよ。
それに翼さんの顔って好みだから反撃とかろくに出来なさそうだし。一発で仕留めるしかなさそうだし。
この可愛い顔だけは残しておきたいなぁ。スネイプ先生にホルマリンとか貰っておこうかな。
あはははは。それってちょっと変態入ってるよ。それはさすがにヤバイって、多分。
まぁそれでもいいんだけどね。翼さん、可愛いし。
「・・・・・・・・・おまえ、今何か失礼なこと考えてなかった?」
「まさか、監督生様にそんな恐れ多い」
「・・・・・・そ」
寝起きだからなのか翼さんの声が微妙に掠れてる。あぁでもこうしてるとやっぱり男の人なんだなぁ。
可愛すぎるから女かと疑ってたよ、実は。そうしたら私的にとても美味しくて良いのだけれど。
一緒にお風呂入って、一緒に寝て、一緒に乙女トークして。
あぁでも今一緒に寝てるってことは翼さんは実は女の子だったのか。
そっかそっかー。いやぁこれは美味しい。
「おまえやっぱり失礼なこと考えてるだろ」
「まさか、監督生様にそんな恐れ多い」
ただ美味しいと思っただけです。とてもとても美味しいと思っただけですよ。
「・・・・・・今、何時?」
「6時5分です」
私がいつも通りに6時前に起きて翼さんの処理を考えていたので、今はこの時間。
翼さんも早起きだなぁ。そういや談話室に一番に行くのって私か翼さんだし、当然か。年よりは朝が早いのかなぁ。
まぁいいや。さっさと着替えて準備しよう。
「――――――って! 俺がいるのに着替えるなよ!」
だって翼さんは実は女の子なんでしょう? だったら何も問題はナシ。
「別に見たって減るものじゃないからいいですけど? あぁでも見物料として後で何か払って下さいね」
体で、とは言わないでおこう。いや別に体でもいいんだけどさ。
ここはまぁ一つ、私の制服でも着てもらうとするかな。後はバタービールをおごってもらうとか。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜おまえ本当に女!? ちょっとは恥じらいとかないわけ!?」
あ、翼さんがベッドに潜った。ぷくっと山が出来てる。あぁこんな動作も翼さんがやると可愛いなぁ。
これを渋沢さんと須釜さんがやった日にはねぇ・・・。私は布団ごと簀巻きにして東京湾に捨てるよ。
翼さんだからこそオッケー☆ あぁでも真田君でもオッケーオッケー。
「別に見ても楽しくない体ですから、見てもいいですよ?」
「いいわけないだろっ!」
「そんなこと言うとイジメますよ?」
「―――――――――――っ!?」
ビクッと丸い塊が揺れた。あぁちょっと楽しいかも。面白いオモチャを発見した気分だなー。
「・・・・・・・・・つーか何で俺がイジメられなきゃいけないわけ!? が勝手に着替えだしたのが悪いんじゃん! 俺には何の罪もないね!」
「そうですよ、私が勝手に着替えだしたんですから翼さんが布団に潜る必要もないんです」
「・・・・・・・・・」
あ、沈黙した。っていうか話してるから着替えが進まない。えーとブラウスってどこだっけ。
「・・・・・・・・・何、つまりは俺に着替えを見せたいわけだ?」
何か素晴らしい発想の転換をしましたねぇ、翼さん。あぁでもその思考回路は素敵だわ。
「見せたいわけじゃないですけど、頑なに拒否されると女として魅力がないのかと思いますね」
それか、私が翼さんの欲情の対象となっているから拒否されるのか、とか思うけど。
まぁそれはないだろうし? あってもどうでもいいし。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふーん。じゃあ見るよ?」
「見たら次は触ります?」
「だから何でおまえはそうなんだよっ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんなに怒らなくても、ちょっとした冗談なのにー。
思わず布団を跳ね除けて起きた翼さん。
そしてそのまま固まった翼さん。
顔がだんだんと赤くなっていく翼さん。
あぁどれも可愛いなぁ。もうメロメロ・・・・・・・・・・メロメロ?
そんなことを考えていたら翼さんは再び布団へと潜ってしまった。
モソモソと布団をかき集めて、さっきよりも丸く丸く固まりになって。
私は手に持っていたブラウスに袖を通してボタンを閉める。でもってスカートをはいて、靴下も履いて、と。
今日は薬草学と妖精の呪文と天文学と飛行訓練。よし、これで荷物もバッチリ。
「じゃあ翼さん、私先に行きますから」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・返事ナシ。
まぁいいや、それどころじゃないだろうし。
時間にして朝食までまだまだあるし?



「ベッドだけは汚さないで下さいね?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜だから何でおまえはそうなんだよっ!!!!!」



わめく翼さんを後にして部屋を出る。あぁもうあんなに大声で怒鳴ったら西園寺先生とかに見つかるのに。
見つかったら減点ものでしょ?男子は女子寮に進入禁止だし。
あぁでも翼さんは女の子だから大丈夫なのかな。



そういえば何で翼さんは私のベッドで寝てたんだろうか。
それだけが唯一残った疑問だね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁいいけどさ、翼さん可愛いから。



本人に聞かれたらマシンガントーク間違いナシなことを考えながら、私は談話室への扉を開けた。





2003年2月2日