090:イトーヨーカドー





「ではこれより第361回青空会議を開催する」
自信に満ちた開催宣言と、パチパチパチパチという大拍手。
・・・・・・・・・私、政治家じゃないんで帰ってもいいですか?



「今日の議題は『に釣り合う相手を探す』だ」
何で私の話題なんだよ。そんなの余計なお世話だ。オマエらは大人しくナンパでもしてろってーの。
「まずはじめに。身長は何センチだ?」
「・・・・・・・・・この前測ったら伸びてたから173センチー」
「うそっマジで!? ちゃん俺より3センチも高いじゃん!」
「・・・・・・おまえそれ以上伸びるな」
「それは無理。あと1センチで跡部に並ぶよ」
ちょっと意地悪く言ったら跡部があからさまに顔をゆがめた。ざまぁみろ!
「理想的な恋人の身長差って15〜20センチだったよねぇ」
キヨが頬杖をつきながら首をかしげる。
ってことは私の理想的な恋人の身長は188〜193センチ。ないしは153〜158センチ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「越前じゃん」
151センチで2センチ足りないけれ、どまぁそれくらいは余裕範囲内だろうし。
翼も151センチだからオッケーかも。うん、グッド。
「いやいや逆はナシだから」
キヨが困ったように笑って手をパタパタと振って、跡部はソファーで優雅に足を組み替えて鼻で笑いやがった。
「樺地が190センチだ」
「っていうかかばっちしかいなくない?」
「不動峰にもそれくらいの子がいたけど、それじゃあ範囲が狭いよね〜。もうこうなったら180センチ以上でいいんじゃないの?」
「よし。、おまえはヒールを履くな」
「履いたら跡部よりも高くなるし?」
あはははははは! また跡部が嫌そうに顔をゆがめてるよ! たーのーしーいー!!
「180センチ以上っていうと、うちではあっくんと・・・・・・南もそれくらいだったかも」
「忍足は少し足りねーな。立海の真田と柳はそれくらいだろ」
誰ですか、真田サンと柳サンって。私の知らない人をカウントに入れるなよ。
「手塚君はいくつ?」
「179センチ。青学で180を越すのは乾先輩と河村先輩だけだし」
「うーん、不動峰の橘君も180センチくらいなかったっけ?」
「あとはルドルフの赤澤もそれくらいだろ。」
はい、物件はすべて出揃いました。
不動産やさん、いかがでしょう?



「「却下」」



うわぁ。(木更津さん風に)



「手塚ならギリギリで許せるくらいだろ」
「赤澤君の気配りはポイント高いけどねぇ」
「真田と柳もそれなりにイケるけどな」
「でもやっぱり」



「「(ちゃん)と並ぶと見劣りするから却下」」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・悪かったな、彼氏よりも美少年でさ。
「もうこうなったら女の子狙いでいく? そっちの方がちゃんと並んでも違和感ないし」
「いや、そっちの趣味はないから」
「橘の妹とデートしといてよく言うぜ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で跡部が知ってんのさ。
「え? 橘君の妹さんって結構可愛い子じゃなかった? やっるーちゃん!」
「いや、デートって言っても一緒に出かけただけだし」
「腕組んで荷物持ってやって、それのどこがデートじゃないって?」
余計なとこまで見てるなよ、跡部!
「うわ、それって完全に彼氏じゃん。じゃあさ、ちゃんの彼女が妹さんで、彼氏が橘君ってのはどうよ?」
――――――ちょっと待て、キヨ。
「まぁいいんじゃねぇの。少し物足りねぇけどな」
物足りないって何がさ、跡部。
「妹さんがちゃんと腕組んでデートして、橘君がちゃんの肩抱いてデートして?」
「妹の方が絵になってるな」
「たしかにキスするにも丁度いい身長差だろうしね。あははは! 禁断の愛ってやつ!?」
「面白いから応援してやるぜ、
「俺も応援しちゃうよん!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ザケんなおまえらっ!!!」



ちゃぶ台もとい跡部家のアンティークテーブルをひっくり返す勢いで叫ぶ。
テーブルが高価そうでそんなことは出来ないけどな!
何を言ってやがるコイツらはっ!!
「面白い」なんて理由で応援すんじゃねぇよ跡部! そしてキヨ! その満面の笑みは何だ!!
おまえらは何か!? そんなに地獄が見たいのか!?
お望み通り見せてやるよ!!



「あ〜〜〜れ〜〜〜! 殿がご乱心だー!」
「天誅じゃあ! ―――――って何を言わす! 誰が殿だ! そこになおれキヨ!!」
「どうでもいいけどマイセンのカップを壊すなよ?」
「おまえもだ跡部! のん気に紅茶なんか飲んでんじゃない!!」



しかし高価な高価なマイセンのカップを割ることは出来ず、結局二人には回し蹴りだけで関節技はかけられなかった。
ちくしょう! 跡部のアホ! キヨのバカ!
もう二度とナンパの手助けなんかするものか!
二人で美人のお姉さんにフラれて私のありがたみを痛感するがいい!!



―――――――――――――――しかし。
後日やはり断りきれずに杏ちゃんとデート(もう何とでも言え)した私は、彼女に色々なことをされ。
それを影から尾行していた跡部&キヨに見られ、脅されるようになる。
・・・・・・・・・・・・・・・・もうやだ・・・。





2003年1月19日