077:欠けた左手
俺の左手は動き
の左手も動く
心臓に一番近い場所
むしろ
そのもの
もしなくなったりしたら、俺はどうすればいいんだろう
気が付いたときにはフォークを持つのもラケットを握るのも他人とは逆の手でやっていた
だけどそれでよかったんだ
が、いたから
は俺と同じように左手ですべて行っていたから
それでよかったんだ
と、一緒なら
利き手が使えなくても俺は右手が使えるし
だって、ちゃんと右手を使いこなせる
だけど、左手以上の威力は出ない
左手でないとベストな状態にはなれない
左手が、ないと
俺は生きていけない
この手は俺の心臓を握っていて
いつでも俺を消すことが出来て
俺も、この手が全てを握っていることを知っている
知っていて、黙ってる
だってこの手は、の手だから
俺の心臓を握っているのはの手
全てを決めるのはだけ
俺はそれを知っていて
黙ってる
だって、それを望んでいるのだから
俺の左手は、一生の心臓を掴んでいるのだから
それで、いい
それが、いい
もしこの左手を失ったら俺は生きていけない
そんなの、俺じゃない
そんなの、じゃない
独りじゃ生きていけない
がいなくちゃ生きていけない
だから逃がさないよ
ラケットを握る左手がなくなったとしても
俺の手は永遠にのことを捕まえているから
だからも捕まっていて
俺の手に、すべてを委ねて
腕一本なんかじゃ足りやしない
体を丸ごと捧げたいくらい
必要なんだよ、が
触れることも出来ない距離にいるのにそんなことを望んでしまう俺は
腕では収まらないくらいの愚か者で
そして何よりも幸せ者で
これでいいんだと思った
腕の一本や二本、くれてあげるよ
だからも頂戴?
ねぇ
2002年12月13日