073:煙
ゲームはすでに始まっている。
でも私の知る限りはまだ誰も死んでないみたい。・・・・・・・死ぬわけでもないけどさ。
私は今、レイブンクローの寮の前にある隠し部屋にいる。ここを知ってるのはレイブンクロー生のみってことで。
ちなみに一緒にいるのは翼さん、木田さん、畑さん、井上さん、柾輝、光宏、多紀、健太郎、仁吉、六助。
私を含めてレイブンクロー全員・計11人が円陣を組んで座ってる。
何か不思議ー。今にも黒魔術で悪魔を召喚するための儀式とか始めそうなんですけど。
ま、それと似たようなことがこれから始まるんだけどね。
「じゃあチーム分けをする。基本的に二人組みで片方が防御、もう片方が攻撃に当たれ」
翼さんが真剣な顔で話し出す。そしてそれをこれまた真剣な顔で聞く私たち。
二人組みなのかぁ。私は出来れば一人がいいんだけどなぁ。その方が動きやすいし。
「木田と直樹、五助と六助、小堤と伊賀」
ふむふむ。こうして見るとうちの寮ってディフェンスタイプの人間が多い? でも攻撃も出来て一石二鳥?
「柾輝と日生、杉原は三人で組め」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ってことは翼さん。
「は俺と。判った?」
「その心は?」
「俺とおまえは容赦なく相手を攻撃するから」
うっわ。ズバッと言ったよ、このお人は。
確かに私は容赦なく攻撃できますよ。むしろ喜んで叩きのめさせて頂きますよ。ちぇっ。
「いいか? 敵を見つけたらまず片方が防御魔法を張れ。で、その間にもう片方が攻撃魔法で相手を潰す。ワッペンを取るのを忘れるなよ」
ハーイ。オッケーです。
「監督生、それと中ボスクラスに当たったら防御魔法だけ張ってすぐに逃げろ。間違っても仕留めようとなんて思うな」
えー? つまんなーい!
「だけどそれはオマエらの場合だ。俺たちはそいつらを潰して回る」
翼さんの指が動いて指し示す。
『オマエらの場合』で木田さん・井上さん、畑さん・六助、健太郎・仁吉ペアを。
『俺たち』で柾輝・光宏・多紀、翼さん・私を指差して。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウワァオ!
やった! オッケーが出たよ! これでやりたい放題できるよーっ!!
「特に俺とは各寮の監督生を狙っていく。まぁその間に雑魚も片付けるつもりだけど、それはオマエらにもやってもらうし。狙うのは生き残った奴に与えられる得点だ。出来るだけ序盤で殺られるなよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウワァオ。
監督生ですか、そうですか。渋沢さんや須釜さんやノリックさんの相手をしろと? そう言うわけですか、翼さんは。
喜んでいいんだか悪いんだか。つーか喜ぶけどな、私は。
一度思いっきり攻撃してみたかったんだよねぇ、渋沢さんと須釜さんを。
「もし殺られそうになったら片方だけ残してもう片方は逃げろ。残った奴は出来る限り敵を足止めして、逃げた奴は敵に遭遇せずに生き残ることを第一に考えろ。いいな? 同情や悲しみは一切捨ててこの勝負に臨め。中途半端な覚悟じゃすぐに殺られる」
ってことは私は翼さんを見捨てていいと?・・・・・・・・・絶対に後でクレームがきそうなんですけど?
みんなはやっぱり真剣な顔でうなずいた。
「いいな? オマエらは必ず生き残れ。そして敵は必ず殺せ。容赦はするなよ? 顔見る前に叩きのめせ」
顔見る前って・・・・・・気配を感じたら殺れってことですか。
うーわー。それはいいの? それはありなんでしょうか? そしたらレイブンクローのメンバーは殺人兵器のようになっちゃうよ。
でもまぁいいか。ようは勝てばいいんだしね。
「じゃあ5分後にこの部屋を出る。――――――――――――健闘を祈る」
というわけで、バトルロワイヤル開始。
「、まず手始めに確認しとくけど」
「何でしょう」
「相手が小島や上条でもちゃんと殺れるな?」
「当然でしょう?」
「ならヨシ。出来れば監督生3人は序盤で潰したいんだけどな」
「それは無理ですって。中ボスから始めません?」
「ま、それが妥当だね。じゃあはじめにグリフィンドールから攻めるか」
「オッケーです」
というわけで容赦なく殺し合い(ワッペンの奪い合い)をしてもよいというゲームが始まった。
・・・・・・・・・・・・・こんなことを言うと人格を疑われそうだけど、まぁ本当のことなので。
ごめんなさい。
すっげ―――――――――――――――っ楽しいです!!!
自分の実力だけで生き残るゲームってめちゃくちゃ楽しいよ! その分危険も多いけどな!
パートナーが翼さんだから余計楽しいのに拍車がかかるし。
これなら誰でも殺れます! ・・・・・・・もとい誰でも負かせられます!
と、い・う・わ・け・で☆
「そこにいる山口さんと横山さん、殺っちゃってもいいですよね?」
「モチロン」
翼さんのオッケーも出たということで、容赦なく殺らせてもらいます。
先に謝っておこうっと。
皆さんゴメンナサイ。
2003年1月16日