013:深夜番組





チャンネルを回せば緑の芝生が映し出された。
アナウンサーの声よりも、僕はその画面に釘付けになってしまって。
フィールドを駆け回るその姿。
小さくても判る。あの人たちは、別格。
輝きが違う。
のアシストに西城が走りこんでゴール! これが決勝点となりマドリードは首位に躍り出ました!』
チームメイトに抱きしめられて、客席からはオールスタンディングの拍手を送られて。
その中で笑う二人。
さんと、西城敦さん。



早く、あの二人の元へ帰りたい。



あの試合からしばらくして、僕はドイツへと渡った。
スポーツ医学の名医がいると聞いて、いてもたってもいられなくて。
お父さんや、お母さん。何よりも功兄に迷惑をかけておきながらも、その夢だけは諦めることができなかった。
この足を治して、もう一度あの場所へ。
さんと西城さんと、あの感覚を共有できるフィールドへ。
戻る日のために、僕は毎日リハビリを行う。
どんな痛みにも負けずに。



夜遅くに伝えられるニュースは、その日にあった最新の情報を教えてくれる。
さんと西城さんが活躍したことを。
二人が輝き続けて、走っていることを。
番組が終わる頃にメールの届いた音がして、開いてみるといつもの報告メールだった。
西城さんとさんから、僕への。
『待っているから』という応援のエール。
いつも最後に書かれている言葉に泣きそうになって、それでも僕は目指すんだ。



あの二人と同じフィールドを。



「・・・・・・将、もう遅いから寝た方がいいぞ」
「うん。お休みなさい、功兄」
テレビの電源を消して、功兄に笑顔で挨拶をして。
僕は大丈夫。
待っててくれる人がいる。
僕は大丈夫。
見ていてくれる人がいる。
明日になったら、もう一度ニュースで二人の活躍を目にしよう。
二人の、プレーを。
この目に焼き付けよう。



いつか必ずフィールドに戻る僕を、どうか待っていて下さい。





2002年12月7日