008:パチンコ





私は元来賭けはしないと決めてるんだけど。



「いや、それは嘘だろ」
うわ、柾輝に一丁両断されちゃったよ。そしたら隣の多紀も光宏も頷いてるし。
ちゃんは生まれながらの勝負師だと思うよ?」
「・・・そう?」
「そうそう。だってこの間だって麻雀やったらの一人勝ちだったじゃん」
「あれは牌がよかったんだって」
先週寮でやった麻雀大会。結果的に私は翼さんを僅差で破って一位を手にした。
でもって景品としてチョコとキャンディーとマシュマロをもらった。・・・・・・・・・・お菓子ばっかじゃん。
はっ。さては私を太らせようという魂胆!? じゃああの勝負もイカサマ!? なんてヒドイ!
そんなに私を丸くしたいか! 丸くしてどうするんだ? 食べるのか!
「カードゲームとかやってもには必ずいいカードがいくしさぁ。ズルくない?」
光宏が唇を尖らせている。でもそれも可愛いだけー。
私自身はとくに魔法もイカサマもしてないんだけど。
ゲームに強くてもあんまり意味ないって。やっぱり強いなら権力&腕っ節じゃないとね!
その二つがあればこの世でもしぶとく生きていけるわ。うん。サンタクロースさんクリスマスプレゼントにそれくれないかしら?
そしたら靴下はどれくらいのをぶら下げればいいんだろう。
権力は・・・・・・・・・役所の紙とか? 社長に任命される指名書? それなら普通サイズで大丈夫だろうけど。
腕っ節はねぇ・・・アミノバイタルとか送られてきたらどうしよう。来年のクリスマスまで一年分とか。
それじゃあ普通の靴下じゃダメじゃん! 今から編むには時間が足りないって!
「この前の授業では二つある魔法石のどっちが本物かを一発で当ててたし」
・・・・・・・・・そういやそんなこともあったっけ。
たしかあのときは松下先生が当てたら5点くれるって言ったから何が何でも当ててやろうと思って適当に指したんだよね。
それが当たって私ってばラッキー。誰かさんのラッキーを奪ってきたみたいにラッキー。
「不破とテストの点で賭けして勝ってたしな」
柾輝さん、よく覚えていらっしゃいますねぇ。
一ヶ月前にあった魔法薬学のテスト。
私は魔法薬学では不動の一位を築いているので、不破だけじゃなく郭君にも敵視されるされる。
でも不破とは仲良しだしー。・・・・・・・・・別に郭君と仲が悪いわけじゃないけどさ。
嫌われてるみたいだし。まぁ別にいいけどね。
「とにかくはギャンブラーだって!」
「そんなに自信を持って言わなくても」
光宏さん、あなた自分のことのように断言しますねぇ。
多紀はその隣で手をグーにして私の口元に差し出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・マイク? カラオケ大会に突入?
とか思ってたら多紀はニッコリと笑って。
勝負師。賭けに勝ち続ける秘訣は何ですか?」
賭けに勝つ秘訣・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは当然。



「勝てる賭けしかしないことでしょ?」



後は、勝てるように仕向けることかな。



そう言ったら三人ともガックリと肩を落としてうな垂れてしまった。
・・・・・・・・・変なこと言った? 私。
「これじゃあが勝ち続けるわけだよ・・・・・・」
光宏がウンザリと呟いて。



とにかく私は賭け事は好きじゃないんだって。
再度言ったその台詞はため息と共に無視されてしまった。





2002年12月11日