許せない、許せない、許せない、許さない





毎日がつまらなくて、つまらなくて、つまらなくて、つまらなくて。原因が分かっているからこそ、殊更に苛立ちは募る。知らず彷徨う視線に気づいた瞬間、姿を見ないために時間をずらし、声が聞こえそうなものなら自ら喋って掻き消した。そのどれもが意識しているのだと更に自覚させるから、仁王の心は酷く暴れた。どうしてくれよう、あの、柳生比呂士という男。
潰してしまえ。見る影もなく、跡形もなく。潰してしまえ。壊してしまえ。消してしまえ。仁王雅治を乱す存在など、この世に在ってはならないのだから。
明日、図書館へ行こう。あの男に引導を渡してやる。夜更け、くつりと仁王は笑った。美しい顔が慄き震える瞬間を想像すれば胸が高鳴る。一生癒えない傷を負わせてやる。柳生比呂士に、仁王雅治を刻み込むのだ。そうすればすべて、すべて終わる。





心、安らかに。考えるな。切り捨てろ。
2010年8月1日(title by hazy