家訓二、夜はちゃんと寝るべし





「ねぇボンゴレ、これ以外のお洋服はないの?」
綱吉のハーフパンツの裾を引っ張って聞いてくるのはルッスーリアだ。小さくなってもお姉言葉。派手な色のモヒカンも相変わらず健在である。
そんな彼に段ボールから次々と洋服を取り出して、綱吉は広げていく。
「あるよ。ほら」
「あらぁん! ボンゴレってば衣装持ちさんじゃない」
「昔っから母さんがいろいろ買うからさ。赤ん坊のころのなんてあんまり残ってないけど、好きなやつ着ちゃっていいから」
「やだ、このファーつきコート可愛い!」
「あーもーどんどん着ちゃって。何なら改造しちゃってもいいし」
「ありがと、ボンゴレ!」
「どういたしまして。だから代わりにその呼び方変えない? さすがに外でまでボンゴレって呼ばれるのは嫌だしさ」
「じゃあ何て呼ぼうかしら。綱吉だからぁ・・・ツナちゃん? ツナ君? ツっ君にする? イメージ的にはツナちゃんね。それで決まりよ!」
「うん、じゃあそれでよろしく」
「あたしこそヨロシク、ツナちゃん」
「あ、そのニット、ルッスーリアに似合いそう」
「あら! どれどれ?」
洋服の洪水に埋もれながらも、ほのぼのと会話を交わす中学生男子とモヒカン赤子。なかなかによい感じの二人だった。



その夜、綱吉とルッスーリアの選んだパジャマは、やけに文句を叫ぶ長髪の赤ん坊以外は、それなりに気に入ったようだった。スクアーロとお揃いのレースたっぷりネグリジェを着たルッスーリアは、それはそれは上機嫌だったとか。





ザンザス&ゴーラ・モスカは普通のパジャマ、マーモン&レヴィは着ぐるみパジャマ、ベルはTシャツ短パン。
2006年6月28日