12.愛が、散る
ドアを押し開けた伏見の目に映ったのは、色とりどりの眩しいネオンの中でこちらを振り向いた十束の顔と、そんな彼に対し銃口を向けようとしている少年の姿だった。まるでスローモーションのように、引き金に指がかけられていくのを見ることが出来た。だから伏見はマンションを出るときに咄嗟に掴んできた包丁を逆手に握り替え、そして。
パァン、と乾いた音がビルの屋上に響き渡った。
血飛沫がまるで花のように舞った。
2014年11月8日(pixiv掲載2013年3月3日)