4.おはよう!
ふわふわでさらさらでふにふにであったかくていい匂いがして気持ちいい。最高の何かを堪能するように、十束は自身の腕の中の物体を抱き締め、頬を摺り寄せる。途端に「ぐえ」という潰れた音、というか声がして、ぼんやりと意識が上昇した。睡魔にくっついていた瞼を押し上げる。腕の中に何かいる。十束は、女性を部屋に連れ込むということをしない。だから相手が誰なのか分からずぼんやりと考え、そして数秒後に思い出した。逃げずに腕の中にいてくれた伏見に嬉しくなって、黒髪から垣間見える耳たぶにちゅうっとキスをする。
「おはよう、伏見」
掠れた声で囁いた二秒後、十束は容赦ない一撃を食らってベッドから転がり落ちることになる。真っ赤になった伏見と、騒々しい目覚めに、十束は朝から声を挙げて笑った。
可愛いなぁ。
2014年11月8日(pixiv掲載2013年3月3日)