100.エンダアアアアアアアアイヤアアアアアアアア!!!
白なんて嫌だと伏見がいくら訴えても、宗像と淡島のごり押しには勝てなかったらしい。似合うで、と草薙に頭を撫でられ、アンナには綺麗と裾を引かれ、周防に無言で頭を撫でられ、不貞腐れて俯く伏見の耳は仄かに赤く染まっていた。その身体を包む純白のウェディングドレスは本日の主役である証拠だ。左の鎖骨にある証を隠すかどうか聞いたときに、このままでいいと答えたから、今もそこには焼け焦げた跡が残っている。伏見と八田の過ちであり、若かった過去の忘れ得ぬ軌跡だ。けれども今日、二人は新たな門出を迎える。
「・・・美咲、白似合わないな」
「うっせぇ!」
「嘘。世界で一番格好いい」
惚れ直した、と伏見が言えば、まだ甘い文句には慣れないのかタキシード姿の八田はそっぽ向いて唇を尖らせる。それでも差し出された手に、伏見はそっと自身の指先を触れさせた。大きな手だ。一般的な男にしては小さいのかもしれないけれど、この手はずっと、伏見にとっては大きかった。これから始まるのは幸福の日々だというのに、何故か怖くて堪らない。震える伏見の指先を、八田が力強く握り締める。
「一生隣にいるから安心しろ」
「・・・美咲のくせに、格好つけすぎなんだよ」
「何とでも言え。とにかく、おまえは俺の隣で笑っていればいいんだよ」
命令されて、ふにゃりと伏見は眉を下げて笑った。
「浮気したら殺すから」
「上等だっつーの!」
八田が伏見の手を引く。教会の扉が押し開かれ、多くの仲間たちの笑顔と拍手が出迎えてくれる。真っ赤なバージンロードを、八田と伏見は並んで歩いた。離れずにずっと、ずっと。
末永くお幸せに! お付き合いくださりどうもありがとうございました!
2012年12月24日(pixiv掲載2012年12月23日)