14.八田美咲の屈辱
宗像が伏見を引き寄せる。手のひらはしっかりと腰に添えられていて、細い身体は宗像の胸元へ添えられるように抱き寄せられる。伏見は不服そうな顔をしていたけれども、逆らっても無駄だと判断したのだろう。ちらりと八田を見て残念そうな視線を向けた後に、おとなしく宗像に身を任せた。いい子ですね、とでもあやすかのように、宗像の手が伏見の黒髪を優しく梳く。そうして二人は流れるように他の隊員たちに合流していった。八田はただ、それを黙って見ているしかなかった。
きつく、握り締めた、拳が震える。噛み締めすぎた奥歯がかたかたと音を立てている。言葉にならない感情が腹の奥底から血管を巡り、八田の中を暴れ回っていた。全身が戦慄いていた。炎が噴き出さないのが不思議なくらいに己自身が制御できない。吐き出す息が荒くなる。
宗像の、伏見の腰に回された手が、にこりと笑った顔が、八田の思考を埋め尽くす。
っ・・・!
2012年12月24日(pixiv掲載2012年12月23日)