【この話を読むにあたって】
1.優一兄さん優一兄さん言いながらイナGO二期第一話をビデオに撮ったけどまだ見てない。
2.なのでとりあえず公式サイトだけチェックしてみた。円堂(中二)がいるだと・・・!?
3.「時空を超えた天馬の戦いがはじまる!」らしい。
以上の三点から「つまりイナGOクロノ・ストーンってこういう話だろ?」と好き勝手に想像してみました。「海の広さに比べたらちっぽけなことさ!」という綱海のような、何でも許容できる方のみお付き合いくださいませ。
それではどうぞー。
▼ 大丈夫です、読みます ▼
イナGO二期クロノ・ストーンを想像してみる。
1.今の時空、現代
雷門中に戻ったら、神童や剣城をはじめサッカー部の、否、雷門中の誰もが「サッカーなんて知らない」と言った。天馬に対しても初めて会う人への態度で、そこには今まで培ってきた絆を見ることが出来ず、どうして、と思わずにはいられない。そこへ現れたアルファという名の少年に、天馬はこの世界からサッカーを消し去ったのだと告げられた。二百年後の未来から来たとかいろんなことを語られたけれども、アルファのチームと試合をして、完全に打ちのめされた天馬はただ悔しさに涙するしかない。そんな彼の背を優しく抱いたのは、アルファと同じく二百年後の未来から来た、けれどもサッカーの消滅を防ごうとする少年、フェイだった。ワンダバというアンドロイドを連れた彼は、輝く瞳で天馬を励ます。
「大丈夫! ワンダバは時空を超えることが出来るんだ。強い仲間を集めて、今度こそアルファに勝とう!」
「フェイ・・・」
「確かに天馬の時空ではサッカーが消滅してしまったけれど、他の時空ではまだ存在している。だから旅立とう、天馬。僕とワンダバが案内するよ!」
「・・・そうだね。サッカーを消滅させるなんて、そんなこと許せない。勝ってサッカーを取り戻そう!」
「そうこなくっちゃ!」
フィフスセクターに抗ったときの気持ちを思い返し、天馬が拳を握り締める。信助もマサキも、サッカー部のみんなも、きっといつかサッカーを思い出してくれる。そのためにも自分が頑張らなくては。うん、と立ち上がった天馬の手をフェイが握る。
「じゃあ行こう!」
「うん! ・・・って言っても、どこへ?」
仲間の当てなんて、そんな心当たりがなく眉を下げる天馬に、フェイが笑った。
「決まってるじゃないか! どの時空でも最強のゴールキーパーは一人だよ。会いに行こう、彼に!」
ワンダバが光り輝き、二人の姿を包み始める。そのことに驚きながらも、天馬の顔は自然と笑顔になり始めていた。そうして彼らは時空を飛んだ。最初の仲間を求めて。
―――雷門中サッカー部キャプテン、円堂守。その人を求めて。
(CS一話を見てないのでフェイの口調とワンダバの機能が適当です。すみません・・・。)
2.オーガの時空、10年前
「もちろん協力するぞ! サッカーを消滅させるなんて、そんなこと許せない!」
天馬と同じ台詞でもって強く賛同してくれた円堂は、天馬の知る彼ではない。大人ではなく、まだ子供で、十四歳で、目線が同じ高さにある彼はとても新鮮だったけれども、その身の内にある力強さと逞しさは変わらない。思わず最初に「円堂監督!」と抱きついてしまった天馬も、彼は目を白黒させながら受け止めてくれた。そうして天馬の時空でサッカーが消されてしまったこと、それを防ぐためにも一緒にチームを組んでほしいこと言えば、円堂はすぐさま頷いてくれた。頼りになる大黒柱の存在に天馬の感情が思わず緩む。あの世界では確認することが出来なかったが、この世界の円堂はまだサッカーを忘れていない。むしろ誰より愛している。やっぱり俺たちの監督だ。そう思って天馬は涙の滲んだ目尻をそっと拭った。フェイに歓迎されていた円堂が、思い出したように首を傾げる。
「だけど不思議だな? 今の俺のいる時空の未来でも、サッカーは『軟弱になる』っていう理由で悪いもの扱いされてるらしいんだ」
天馬の時空と少し似てるな。その言葉に、はっと息を呑んだのはフェイだった。
「まさかっ・・・! もしかしてここは『オーガ』に通じる時空なの!?」
「フェイ、王牙学園のこと知ってるのか?」
目を丸くした円堂に、フェイは頬を紅潮させて飛び上がる。
「知ってるも何も、彼らはサッカー消滅の危機を救った英雄だよ! 総督の命令に逆らって、サッカーの廃絶に否を唱えたって。時空は違うけど僕の憧れのチームなんだ」
「そっか。・・・へへ。バダップたち、サッカーのこと好きになってくれたんだな」
嬉しそうに円堂がはにかんで笑う。天馬は知らなかったけれども、彼らの今いる時空は、フットボールフロンティアの決勝で雷門中と未来から来た王牙学園が戦った世界だった。未来からの介入を受けているという点では、天馬の時空とよく似ている。けれどこの世界では、サッカーの試合を通じて両者は分かり合えたという。最後に握手は出来なかったけど、バダップは笑ってくれたからさ。きっと分かってもらえたんだと思う。そう語る円堂に、俺もそうなりたい、と天馬は強く思う。円堂監督のように、俺もサッカーの素晴らしさをアルファに伝えたい。そのためにも仲間を集めなければ。天馬は再度意志を固くした。
「でも惜しいなぁ。バダップがこの時代にいたら、間違いなく仲間になってくれって言ったのに」
「呼んだか、円堂守」
「・・・へ?」
ぽつりと漏らした円堂の呟きに、空からしゅたっと小麦色の肌の青年が降ってきた。ぎゃああ、と憧れの選手の登場に、フェイが物凄い歓声を挙げる。しかしバダップの赤い瞳は円堂しか捉えておらず、グレーの髪の毛を後ろから眺めながら天馬はただ呆然とするしかなかった。そのとき彼は、雷門中サッカー部のコーチをしている鬼道の言葉を思い出していた。中学生の頃の円堂は、そりゃあプレイヤーホイホイだったぞ、と。会った選手は片っ端から落としていった、と。流石です、円堂監督。伝説を目の前にして、天馬は深く納得した。一級フラグ建築士の称号は伊達じゃない。
(円堂14歳が仲間になるってこういうことじゃ。未来ネタならバダップも外せないだろうと思いまして。)
3.よく似た時空、現代
次にワンダバが飛ばしてくれた時空は、天馬の世界と時代も場所も限りなくよく似ていた。けれども違いを知ることが出来たのは、河原でシュート練習をしていた少年を見つけることが出来たからだ。見慣れた背中に思わず「剣城!」と天馬は駆け寄ってしまったけれども、振り向かれて気が付いた。彼は剣城ではない。口元にほくろがあり、雰囲気は天馬の知る彼よりも穏やかだ。少年は自身を優一と名乗った。天馬の時代では、弟である剣城京介を庇って事故に遭い、病院で闘病生活を送っている人物だった。
「そう・・・。別の世界で、そんなことが」
天馬の話を聞いて、優一は難しい顔をする。自身が怪我を負い、車椅子での生活をしていることを知った時も複雑そうな表情をしていたけれど、それでも弟を優先して気に掛ける様子はやはり天馬の知る彼であり、時空は違ってもこういうところは一緒なんだ、と天馬は安心してしまった。少し何かを考えるように黙っていた優一が顔を上げる。余談だがフェイと円堂とバダップは天馬の話の邪魔をしないために、少し離れた場所でシュート対決を行っていた。マジン・ザ・ハンド改、とか聞こえるけど何それ凄く見たい生で見たいです円堂監督。そんなことを考える天馬に、優一は自ら申し出てくれた。
「もし良ければ、俺にも協力させてもらえないかな? 君の時空の京介は、これから自由なサッカーを楽しめるところだったんだろう? だったらそう出来るように、兄として手助けをしてやりたい」
「もちろんだよ! ありがとう!」
「プレイヤーとしては京介にも負けないつもりだよ。よろしく、天馬君」
差し出された手に握手を返せば、柔らかな笑みを返される。それはやはり天馬の知る優一の細く薄い手のひらとは異なり、サッカー選手としての力強さを感じさせた。剣城のお兄さんだし、凄いプレイヤーなんだろうなぁ。そんな天馬の考えは、時折横槍を入れてくるアルファのチームとの試合を重ねていくうちに、とても甘かったのだと身に染みて痛感させられることになる。優一は容赦がなかった。それは弟の剣城が可愛らしく思えるくらいの、何というか、柔らかな見た目とは裏腹なアクティブでオフェンシブなサッカーだった。
(優一兄さん参戦ありがとうございます!)
4.とある時空、20年前
「え? 今のって・・・」
「円堂監督?」
いくつめかの時空に降り立ったとき、擦れ違った人物に円堂が振り返った。天馬が不思議に思って見やれば、円堂の視線は一人の人物を追っている。赤よりも少し濃い色の髪に天馬は見覚えがない。年齢は同じくらいか、身軽なジャージ姿でサッカーボールを器用にもリフティングしながら歩いている。簡単そうに見えるがそのテクニックは明らかで、うわぁ凄い、と思わず天馬は感嘆してしまった。次の瞬間には円堂が相手に向かって駆け出していた。手を伸ばして、腕を捕まえる。振り向いた顔には今度こそ天馬も見覚えがあった。否、それはとてもよく似ているけれども別人であるのだと、次の円堂の台詞で分かった。
「ヒロト! おまえ、吉良ヒロトだろ!?」
「え? そうだけど・・・君は?」
目を瞬いて首を傾げる姿は、基山ヒロトによく似ていた。ここはイタリアだね、とフェイが周囲を見回して言った。
(吉良家の実子、瞳子さんの兄。ヒロト兄さん、ディフェンダーとして参戦で!)
5.とある時空、50年前
ゴールキーパーがいる。フォワードがいる。ディフェンダーもいる。さて、何がいないのかと言えば中盤の要であるミッドフィルダーだ。特に試合を作る司令塔がいないのは余りに痛い。うーん、と天馬は頭を抱える。天馬が司令塔として一番に想像するのは、やはり同じ雷門中の神童だ。だけど今の彼はサッカーを忘れてしまっているので、仲間にすることは出来ない。ならば円堂のチームメイトである鬼道はどうかと言えば、フェイが「同じ時空から二人連れてくることは出来ないんだ」と眉根を下げる。ちなみにこのルール、円堂とバダップは時代が違うということでセーフだったらしい。だったら後は一体誰がいるだろうか。互いに自分の知るミッドフィルダーを挙げ合うが、いまいちピンと来る選手がいない。もちろんみんな実力は素晴らしいのだけれど、アルファが率いるチームを相手に戦わなくてはいけないのだ。生半可な司令塔じゃ返り討ちにあってしまう。だとしたら、一体誰が。うーんうーん。天馬もフェイもバダップも優一もヒロトも必死に考えていたとき、ぱんっと手のひらを打ちつけたのは円堂だった。立ち上がり、両手で拳を握り締める。
「いたぞ! うってつけの人物が!」
「え!? 誰ですか、円堂監督!」
「鬼道を超える最強の司令塔だ!」
そうして告げられた名前に、三秒後に理解して、天馬は思い切り顔を引き攣らせてしまった。え、でも、あの、それはちょっと。あわわわわわ。天馬がストップの手を伸ばそうとしている間に、件の人物を知らないフェイや優一、ヒロトたちが「じゃあ早く行こう!」とワンダバを促し始める。そうこうしている間に周囲は光り輝き、彼らは更に時空を飛んだ。天馬は思った。こんな円堂監督に着いてきていた鬼道コーチ尊敬します、と。というか円堂監督のチームメイトってもしかしたら苦労してたのかもしれないなぁ、と同年代になってみてしみじみ思う。
そうしてやってきた時空は、どこか懐かしい気配がした。少し懐古的とでも言えばいいのか。夕焼けに赤く照らされた河原で、天馬は緊張に身体を震わせながら前を行く背中に呼びかけた。学ランが静かに足を止めて、ゆっくりと振り返る。訝しがっているのを隠しもしない警戒した表情に、天馬は泣きそうになりながらも力の限り叫んだ。
「お、俺のチームに入ってください! お願いします! ―――影山零治さん!」
がばっと頭を下げて、天馬は手のひらを差し出した。アホーアホー。空ではカラスが鳴いている。
とにかくこうして最強チーム「テンマーズ」は結成されたのだった。
(中学生総帥が司令塔のチームとか超見たい。こんな感じのイナGOCSを正座しながら待ってます!)
2012年4月22日