16.十月下旬





その日、ついに青葉城西は白鳥沢を、及川と岩泉は牛島を打ち負かした。渡の拾ったボールを、及川が上げ、岩泉が打ち抜いた。それが勝利を掴み取った、最後の一点だった。勝者の名がコールされる。青葉城西の名が。積年の目標だったというのに、それが信じられず、及川も岩泉も呆然としてしまった。けれどその背にすぐに仲間たちが覆い被さり、団子となってコートに転がる羽目になる。金田一などは感極まって泣いていたし、国見も達成感に拳を握り締めていた。そこへ来てようやく、現実なのだと理解する。岩ちゃん。伸ばした及川の震えた手を、岩泉のやはり同じように震える手が握り返した。強く、強く、固く、握り合う。痛いくらいの強さが現実だと教えてくれた。
抱き合って泣いた。六年越しの夢を、ようやく叶えられたのだ。





ああ、ああ!
2014年1月5日(pixiv掲載2014年1月3日)