12.十月下旬
二回戦の伊達工業は、やはり高さがあるだけあってやりにくい相手だった。けれど高さなら青葉城西も決して低くはない。金田一は百八十九、松川は百八十七センチメートルあるし、及川と花巻も百八十四、国見も百八十二はある。岩泉はぎりぎり百八十センチメートルには届かないが、バネなら負けない。渡は百七十一センチメートルと小柄だけれども、リベロのためブロックには飛ばないから問題はない。伊達工は夏の予選から残っているのは青根と二口だけで、他のメンバーは新しくレギュラーになった面々だった。部長となった二口が上手く纏めていたけれど、連携ならば県内でも青葉城西の右に出る者はいない。二セット先取して、ストレートに勝ちを決めた。新チームの構築に取り掛かるのが早かった分だけ、来年は脅威となるかもしれないが、とにかく今の伊達工は青葉城西の敵とは成り得なかった。
今日は午後にもう一試合あるため、自校で戻ることもなく会場となっている総合体育館の一角でミーティングを行う。昼食をもぐもぐとかっ込んで、その後で準決勝だ。隣のコートでは白鳥沢と烏野が対戦している。気になるけれども、気をやっていたら間違いなく岩泉から蹴りが飛んでくる。手の中のボールを一度叩いて、及川は笑った。どちらが来ようと関係ない。
「決勝で待ってるよ」
試合開始の笛が鳴る。意識を切り替え、目の前の相手に集中を高めた。
ナイッサー!
2014年1月5日(pixiv掲載2014年1月3日)