しばらく袖を通していなかったのでクリーニングに出した制服が返ってきた。ブラウスにセーターとリボンの上半身はいいとして、チェックのスカートがあまりにも心許無く、日本は鏡の前でその裾を引っ張る。膝が半分隠れるくらいの規定の長さに手は加えていない。けれど着物を常としている日本にとって、足が晒されるということが違和感で仕方なかった。これまた制服のソックスを履いてみたけれど、鏡の中の自分が情けない顔をしていて日本は溜息を吐き出す。肩にかかるまっすぐな黒髪が、さらりと綺麗な音を立てて流れた。ちらりと視線をやった先には、やはりしばらく使っていなかった通学鞄がある。教科書は以前と変わっていないと言っていたから、必要なものはすべて詰まってしまった。仕度は万全。足りないのは心の準備だけ。
「・・・・・・行きたくないです」
いやいや、と子供のように首を振る日本は、長らく登校拒否していた学校に再び通わざるを得なくなっていた。彼女の平穏な日々は終わりを迎えてしまったのだ。
さようなら、平穏だった日々
WW学園一年(本来なら三年だが登校拒否により留年)亜細亜組、日本さん。
長らく登校拒否をしていたが、偶然出かけた先で知り合ったアメリカに同じ学校であることを知られ、「日本が学校に来ないなら俺が日本の家に行くよ!」と無意識の戦争宣言をされたことにより登校する羽目になった女の子。学ヘタにおいてはセミロング推奨。
2007年8月26日