ライルがフェルトにちゅーをしました。





さすれば、死のみ





再生していた映像を停止し、ティエリアは画面を漆黒に戻す。彼と刹那のいる場所はプトレマイオス内で唯一ヴェーダにアクセスできる場所で、それすなわちすべてを監視することの出来る場所でもあった。かつては誰ひとりの侵入も許さなかったそこで、ティエリアは刹那と共に時間を過ごしている。
「・・・・・・ライル・ディランディは、フェルトを篭絡する気か」
「その可能性は高い。フェルト・グレイスは両親もソレスタルビーイングに所属していた経歴を持つ。情報を引き出すならばうってつけの相手だ」
「フェルトは、ロックオンに好意を持っていた」
「それを踏まえての行いだろう。万死に値する」
「だが、フェルトは愚かではない。ロックオンを選んだくらいだ、男を見る目は確かだろう」
「もちろんそう願いたいが、感情は人を暴走させる」
ティエリアの声に明らかな嫌悪が混ざり、刹那も紅の目を僅かに細めた。
「ライル・ディランディがカタロンと未だ通じているのは予想範囲内だ」
「アロウズに対抗するという姿勢は今のところ同じだが、我々ソレスタルビーイングの足を引っ張られるわけにはいかない」
「ケルディムガンダムのパイロットは必要だ。だが、それが必ずしもライル・ディランディである必要はない」
「能力があれば誰であろうと構わない。下部組織に通達し、次のマイスターの選定を始めておこう」
「アレルヤには」
「言わない方がいいだろうな。スメラギ・李・ノリエガをはじめとする他のクルーにもだ。彼らは情に甘すぎる」
「それはおまえもだろう、ティエリア」
「同じ台詞を君に返そう、刹那。それでも俺たちは割り切ることが出来る。違うか?」
「汚れ仕事には慣れている。糾弾されることにも」
「同じだ。目の前で繰り広げられる事実が、必ずしも真実である必要はない」
「戦いを繰り広げている俺たちに言えることではないだろうが」
刹那が立ち上がると、ティエリアも薄く笑って席を立った。途端に部屋は暗くなり、通路に出れば先ほどまでとは違った蛍光灯の明かりが目にかかる。艦内を進む足取りが自然と速くなり、そのことに二人して皮肉に唇を吊り上げた。
「それにしても、こんなにも不愉快なものなのか。旧知の仲間に手を出されるというのは」
「仲間を利用される、それが不愉快なのだろう。奴がラインを踏み越えた際には、戦場で背後に立てばいい」
「ああ、そのときはロックオンのように」
怜悧な美貌と、無表情の殺意が重なった。いっそ期待すら浮かべながら互いを見やり、ティエリアと刹那は笑いあう。

「「―――狙い撃つ。それだけだ」」





トレミー内で恋愛騒動が起こりそうですね・・・。正直、ちょっと止めて欲しいのですけれど、うう。
2008年10月19日