「ロイ・マスタングとー!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・エドワード・エルリックの」
「「お料理バンバン☆」」
ロイ・マスタングのお料理教室
「世界中のキッチンに立つ麗しき女性の皆様。こんばんは、ロイ・マスタングです。今宵は貴女のお力に少しでも慣れればと思い、料理教室を開講いたしました」
「・・・・・・・・・」
「ちなみに国家全土の放送ですので、すべての女性にお送りすることが出来るかと」
「・・・・・・・・・」
「本日のメニューは『肉じゃが』です。これはやはりお袋の味の代表格。男ならば誰しも憧れるものでしょう」
「・・・・・・・・・」
「こう、仕事から疲れて帰ってきたときに『大佐、今日の夕飯は肉じゃがだぜ』とか出されたら、もうそのままイタダキマスとならずにはいられないでしょうね」
「・・・・・・・・・ちょっと待て。今のは俺じゃないよな?」
『美味く出来たか判らないんだけど・・・』
『そんなことはないさ。鋼のが作ったものならそれだけで世界最高の味だよ』
『大佐・・・・・・!』
『鋼の・・・・・・』
「あぁ! ビバ新婚&にいづ」
「さぁてじゃあ材料を紹介すっかなー」
肉じゃが材料(四人分)
牛肩ロース(薄切り):200グラム
じゃがいも:3個(500グラム)
たまねぎ:1個(200グラム)
にんじん:1/2本(100グラム)
さやいんげん:40グラム
しょうが:大1かけ(15グラム)
油:大さじ1
だし:カップ1・・・水:カップ1と1/4、けずりがつお:3グラム
A・・・砂糖:大さじ1、みりん:大さじ2、酒:大さじ2、しょうゆ;大さじ2と1/2
エドワード・エルリック:1個
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おい」
「何だい、鋼の。やはり新婚ごっこをやる気に―――」
「黙れ。おいコラ馬鹿大佐、何だこの『エドワード・エルリック:1個』ってのは」
「何も何も、そのままの通りだが」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「本当ならば1個ではなく少なくとも3個は欲しいところなのだがな。料理用・食事用・観賞用としてえぇえっ!?」
「くたばれ」
「えーと、まず最初に、だしをとる? 鍋に分量の水・・・つまりカップ1と1/4を入れて、火にかける」
「・・・・・・・・・」(めそめそ)
「でもって沸騰したら、けずりがつおを入れて、再沸騰させる。再沸騰したら弱火にして、そのまま2分くらい煮立たせる」
「・・・・・・・・・」(めそめそ)
「その後でこすんだけど、こし方は、まずボウルに万能こし器を乗せて、その上に固く水で絞った布巾を広げる。あ、ちなみに万能こし器ってのは、野菜の水気とかを切る網のボウルのことな?」
「・・・・・・・・・」(めそめそ)
「このときにけずりがつおの溜まった布巾は絞ったりしない。絞ると苦味が出ちまうから」
「・・・・・・・・・」(めそめそ)
「つーかいい加減にウザイんだよ!」(ゲシッ)
「・・・・・・牛肉は、5センチくらいの長さに切ります」
「(パンッ)」
「いや鋼の、機械鎧を変形させなくとも、包丁くらいはあるから」
「へぇ、大佐の家って結構キッチン用品とか揃ってるんだな」
「それはもちろん、いつでも君が」
「さーて次はー」
「・・・・・・・・・」(めそめそ)
「じゃがいもは皮をむいて、1個を大体4つから5つに切る。このときに大きさが均等になるようにな」
「切り終わったら、水につけてアク抜きをする。その後で水気を切る」
「じゃがいもは切った側から痛んでいくから、水につけるのは忘れるなよ?」
「・・・・・・たまねぎは鋼のが切ってくれ」
「やだよ。だって泣くじゃん、たまねぎ切ると」
「私よりも鋼のの泣き顔の方が可愛いだろう? もちろん鳴き顔とてたまらなく可愛―――っ!?」
「てめぇが切れ」
「・・・・・・・・・ハイ」
「俺はその間に冷蔵庫からにんじんでも取ってくるから」
「・・・・・・・・・ハイ」
「(パタパタパタ)」
「えー・・・・・・本当は苦手なのだがな、たまねぎは。まぁ鋼のの泣き顔を他人に見せるのは勿体無いから、切るとするか」
「(冷蔵庫の野菜室を開けている)」
「まずたまねぎは皮をむいて芯を取り、約2センチ巾のくし形にする。2センチ巾というと、大体1/8カットくらいか」
「(にんじんゲット)」
「根元のところは少しだけ角を切っておこう。・・・・・・うん、これでいい」
「あ、ちゃんと切れてるじゃん」
「お帰りハニー」
「(ピキッ)」
「にんじんは、皮をむいて一口大の乱切り。こうやって、斜めに。にんじんを回しながらだと切りやすいぜ」
「――――――」
「大佐? 知らね、あんな馬鹿」
「さ、ささささささ、さや、いんげんは、筋があれば取って、熱湯でゆでる」
「これは水に取らないで、そのまま生揚げ。でもって3・4センチくらいに切る」
「さやいんげんは最後に加えるので、とりあえず脇に置いておこう」
「しょうがは、スプーンの柄か何かで皮を擦って剥がす」
「しょうがの皮は薄いから、そんなに厚く剥く必要はないのだよ」
「で、薄切り。これを肉じゃがに入れると、ピリッとして美味いんだよなー」
「鋼の、野菜を押さえる手はパーじゃなくてグー。猫手にしなさい」
「判ってるよ」
「じゃあ次はいよいよ鍋に入れて煮込んでいく番だ」
「順番としては一番にしょうが、二番にたまねぎ、三番に肉」
「肉は固まらないように一枚ずつ剥がして入れるように」
「火は強火な。大佐、火ぃつけて」
「あぁ、判った」
パッチン
「肉の色が変わったら、じゃがいもとにんじんを入れる。でもって更に炒める」
「全体に油がまざったら、最初の方にとっておいただしを加えよう。ここできちんとカップ1を測るように」
「だしを入れたら、次はAを入れる。このときに、Aは別の器か何かで先に混ぜておいた方がいいぜ。砂糖とかちゃんと溶けるように」
「はい鋼の、グルグルー」
「ぐるぐるー」
「(可愛い!)」
「―――ハッ!」(つられた)
「やー、えー、ごほん・・・・・・さぁ、先に進もうか」
「・・・・・・・・・」
「Aも加え終わったら、そのまま強火で煮立たせよう。沸騰するとアクが出てくるから、それをぬるま湯に濡らしたアク取りで掬う」
「アクが綺麗に取れたら、中火にする。大佐ー」
パッチン
「中火にしたら落し蓋をする。落し蓋は前もって水で濡らしておこう。そして蓋」
「このときも蓋はちょっとだけズラして、開けておく。柔らかくなるまではー・・・・・・大体15分くらい?」
「そうだな。20分も煮れば大丈夫だろう。煮汁が少なく思うかもしれないが、落し蓋をしていることで味はしっかりと染み込むから心配はいらない」
「20分かー。資料でも読んでこようか―――にゃっ!?」
「まぁまぁ鋼の、私と仲良く(ラブラブに)話でもしようじゃないか☆」
「柔らかく煮あがれば、あとはさやいんげんを加えて、盛り付けるだけだ。煮汁が残ればそれをかけるといいだろう」
「・・・・・・・・・」
「ほら、鋼の。せっかくの可愛らしい顔が台無しだぞ」
「・・・・・・・・・こんの馬鹿大佐」
「よしよし。鋼の、箸を出してくれたまえ」
「・・・・・・・・・」
「はい、これで完成だ」
「「いただきます」」
「あ、マジで美味い」
「そうだろう? これならば客人が来たときにも立派に振舞える」
「えーうわ、ちょっと料亭みたいじゃねぇ?」
「やはり隠し味は」
「愛とか言ったら殴るぞ」
「・・・・・・・・・」
「あーうまうま」
めそめそと泣きながら食す講師:ロイ・マスタング
美味しそうに頬張りながら食すアシスタント:エドワード・エルリック
以上、国家錬金術師機関の提供でお送りいたしました。
2003年12月14日