close, on a world
12.I must go.
「直人・・・・・・僕から、離れないでくれ」
彼の願いを、理想を、憧憬を、そして好意を壊したくなかった。だけど死なせたくなかったから、身を切る思いでそう告げた。すると彼は、緩やかに微笑んで頭を撫でてくれた。
「ありがとな、ルルーシュ」
彼は兄だった。血を分けていないからこそ、兄だと思いたい、そう願う唯一の人だった。愛していた。会えて僥倖だと、心の底から思っていた。
「おまえは俺の弟だ。もしも俺に何かあったときは、母さんと花蓮を頼む」
縁起でもないことを、と怒鳴れば彼は笑った。まだまだ死ぬつもりはねぇよ、と軽く、軽く、軽く。笑って、いた。
紅月直人が死んだのは、それから三日目の夜だった。
遣り残したことが山ほどある。悪い。ごめんな、みんな。
2007年11月8日