06.Tenebrism
「六道骸が・・・?」
挙げられた報告にボンゴレ九代目は少しだけ眉を顰める。イエスの返事を返した部下は、どうしましょうか、と処遇を尋ねた。僅かに思考するけれども、骸の本体はヴィンディチェの牢獄に捕らわれたまま動けない。精神だけ他人に憑依して世間を闊歩する彼を捕まえることは難しい。仕方が無いね、と九代目は緩やかに首を横に振った。
「彼女に何か異変があったわけではないのだろう?」
「はい。特に異常は有りません」
「ならば今回は良しとしよう。今後も彼女に何かあったら教えてくれ」
「かしこまりました」
浅く礼をして去っていく部下を見送り、九代目は静かに瞼をおろす。イタリアの空の下で生活している少女、。日本の空の下で生活しているボンゴレ十代目、沢田綱吉。年若き彼らの未来に幸あれと心から思う。
彼らを巻き込んだマフィアの身として、到底言えた義理ではないとしても。
明日も同じ毎日が来るって、信じて疑わせはしない。
2011年7月16日