04.少女の午後





六時間の授業を終えて、その後は部活だ。テニス部のふたりとは教室で分かれて、同じバドミントン部の友達と体育館へ向かう。二年A組の教室からは階段を降りて、一度昇降口で靴を履きかえなくてはならない。一年生の頃はそれを面倒くさいと思ったけれど、二年の今では慣れたものだ。他にも部活に向かう生徒が多い中で、まっすぐに家に帰る帰宅部の姿もちらほらと見る。彼らの中には週に四日も塾に通わなくてはいけないため、部活に入れないといった生徒もいるらしい。少し混み合っている下駄箱は狭くて、隣や背後とぶつかりそうになる。
「あ、さん。これから部活?」
「うん。笹川さんと黒川さんはどっか寄ってくの?」
「駅前のケーキ屋さんに行こうかなって話してたの」
「えーっいいなぁ! コンビニの横のでしょ? あそこのチーズケーキ美味しいんだよね!」
「ふふ、そうなんだ? さんのおすすめなら食べなきゃだね」
「うん、食べて食べて! 本当に美味しいから」
他愛ない会話をして、じゃあまた明日、と手を振って背を向け合った。同じクラスだけれど凄く仲が良いというわけではないので、喋るときはいつだってあっさりしている。もちろんは笹川京子や黒川花のことが嫌いなわけじゃないし、向こうだってそれは同じだろうとは思うけれども、クラスメイトの関係なんてそんなものだ。いつも一緒に行動している友達じゃないのだから当然だ。
「あたしたちも今度ケーキ食べに行く?」
「じゃあ土曜日? ついでに映画とか観る?」
「いいね。香澄と祥子はテニス部あるのかなぁ」
予定を立てながら、すぐに辿り着く体育館の入り口で靴を脱いで手に持つ。擦れ違うバドミントン部の先輩や後輩に挨拶をして、更衣室へと向かう。





笹川さん、運動神経いいんだから部活やればいいのに。勿体ないよね。
2011年7月3日