02.少女の午前





中肉中背、髪は真っ黒。制服は着崩していないし、スカートの長さも既定の範囲内。化粧はリップクリーム程度で、特別可愛いというわけじゃない。成績と運動神経はどちらも普通。群衆に埋もれてしまう様な個性のなさかもしれないが、大抵の少女はそうなんじゃないかとは思う。よくよく見ればひとりひとり違って、それこそが普通だろうというのが彼女の持論だ。まぁそんな大層なことばかりを考えて毎日を過ごしているわけではないけれど。
「ねぇねぇ、英語の宿題やってきた?」
「やったけど分かんなかったー。数学は宿題あったっけ?」
「あったけど、あれは教科書の後ろに回答が載ってるからいいんじゃない?」
「だよね。指されない限りやらなくていいよね」
休み時間の度に、短くても友達同士で集まって話に花を咲かせる。が教室でよく一緒にいるのは、同じバドミントン部の子とテニス部の女子ふたりだ。体育会系というわけではないけれど、運動部は運動部の子で固まることが多い。英語の教科書を開いてぱらぱらとめくる。問題の答えはノートではなく、直接教科書に書き込んでしまう。数学はずるをして、教師に刺されないことを祈って四人で笑った。同じ教室の廊下側では、クラスメイトの沢田綱吉と山本武が似たような会話をしていて、時折獄寺隼人の喚き声が聞こえてくる。お腹空いたねと笑い合う、三時間目と四時間目の間。





あ、獄寺君が数学当てられた。しかも合ってるし、さっすがー。
2011年7月3日