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昭乃さんが応援席に現れたときの感動を、俺は一生忘れないね!





かわいいひと、こっちをむいて





空は晴天、風はなし! これこそ試合日和って日に、俺たちの試合は行われた。
今回は一・二年の成長を見るってことで、三年は出ない。だからキャッチャーは和さんじゃなくて俺!
準さんは「利央なんかにリード出来んのか?」って言ってたけど、今日の俺は一味違う。
なんたって今日は、昭乃さんが見に来てくれるんだ!

十時プレイボールで、でも昭乃さんはまだ来てなくて、俺はそわそわしながら応援席の方を見てた。
そしたら監督に怒られたけど、でも監督も笑ってた。これもすべて慎吾さんが言いふらしてたせいだ。
その問題の慎吾さんは、今日はベンチじゃなくて応援席にいる。三年だからってのもあるだろうけど、でも間違いなく違う理由もあるはず。
だって今日は昭乃さんが来るんだから!
あーあーあー・・・・・・どうか慎吾さんが昭乃さんにちょっかい出したりしませんように!
頼むよ、神様!

相手校は県内ではそこそこ強いとこで、フルメンバーじゃないってこともあって試合はシーソーゲームになった。
準さんの調子は悪くない。和さんほどじゃないにしても、俺だってちゃんとリードしてみせる。
そんな気持ちが通じたのか、準さんもしっかり投げてくれて、このままならイケる、と思ったとき。
応援席の空気がざわって揺れたのを感じた。
振り向けば、やっぱり。



神様、俺と昭乃さんを出会わせてくれてマジありがとぉ・・・・・・っ!



少しヒールのあるサンダル、細くて滑らかな足を見せているジーンズ、ウェストのくびれとバストの大きさを強調するキャミソール。
カーディガンの裾がひらひら揺れてて、白レースの日傘が影を作って。
さらさら茶色の髪をなびかせている昭乃さんは、そりゃもう応援席中の視線を独り占め!
あ、慎吾さんも見惚れてやがる! へへん、俺の昭乃さんは最高だろぉ!
ヤロー共の視線を浴びている昭乃さんは、それでも周りなんか見もしないで、俺を見つけてひらひらと手を振ってくれた。
だから俺もぶんぶんと腕を振り返す。うっわ、相手校からの視線も集中したし!
「リオー」
昭乃さんのキレイな声が、風に乗ってベンチまで届いた。

「試合に勝ったら、ご褒美のチュウしてあげるー」

もちろん結果は言うまでもない!





2006年1月28日