02.食卓の戯れ
ドン・ラガツァはすべての食事を食堂で取る。今までは一人だったけれども、最近は二人で取ることが多い。並べられるのはパンにオムレツ、童女の意を反映してどんな季節でもたくさんの果物。
「よぉ、。やっと起きたのかコラ」
「おはよう、コロネロ。あさからげんきね。どうしてそんなにげんきなの」
「鍛え方が違うぜ」
快活に笑い、コロネロは童女の左角隣に腰を下ろす。右角隣にはヴィットーレが座るが、彼はすでに食事を済ませている。童女に合わせてメイドに指示を出すために、毎朝席を共にするのだ。
「ヴィットーレ、ぱんをとって」
「どうぞ、ドン・ラガツァ」
「おい、カプチーノをもう一杯くれ」
「はい、かしこまりました」
「ドン・ラガツァには紅茶をミルクで」
「はい、かしこまりました。すぐにお持ち致します」
童女はヴィットーレに命令を下し、コロネロはメイドに要求を告げる。ヴィットーレからも注文を受け、メイドは静かにワゴンの上で熱い飲み物を用意する。
差し出されたティーカップは、直接童女の元には渡らない。すべてヴィットーレを介し、彼女の手へと届くのだ。
「ありがと、ヴィットーレ」
甲斐甲斐しく尽くす彼は、童女だけの下僕だ。
ヴィットーレ、いちごをとって。みるくもたくさんかけてちょうだい。
2006年8月1日