01.Red road to the Lord
ラガツァファミリーに電話があった。相手は約半月ほど前に同盟を組んだボンゴレで、自らかけてきたゴッドファーザーと10分ほど話をし、童女は唇を吊り上げる。
「リーヌファミリーとぜんめんせんそうするんですって」
受話器を置き、差し出されたホットチョコレートを口にして、童女は楽しそうに笑いを漏らす。
「そのせんそうに、ラガツァのちからがいるんですって。よければといっていたけど、ドン・ボンゴレ。やくそくどおり、おやくにたってあげようかしら」
「何人出せと言われたのですか?」
「それがね、ヴィットーレ。さすがドン・ボンゴレ、ゴッドファーザー。なんにんでもかまわないって。ひとりでもひゃくにんでも、がきめていいんですって」
童女はくすくすと笑っているが、ヴィットーレは眉をしかめた。それはつまり、ボンゴレ側はラガツァの平伏度を測っているということでもある。提供する人員が少なければ、所詮この程度だったのかと盟約を切る口実を与え、逆に多ければ、それだけラガツァがボンゴレに従属していることを現す。今回の抗争は、おそらく他の同盟ファミリーたちも出てくるのだろう。嫌な披露目の仕方だと、ヴィットーレは思う。
「ドン・ボンゴレはふしぎね。あまいのにからくて、しょっぱいのにどろどろだわ。のすきなちょこれーととはおおちがい」
「兵を出されるのですか?」
「そうね、だすわ、せっかくのきかいだもの。ボンゴレをりようさせてもらわなくっちゃ」
呟く言葉は純粋で、そして闇に満ちている。蝕まれ続けた身体はいつか、崩れて溶けてしまうのだろうか。
「ファミリーみんなでいきましょう。いとしいおにいさまのちからになりに」
開戦の時は来た。戦士たちは主を仰ぎ、他人の戦へと入り込む。
血と銃弾の嵐の中を、笑う天使に導かれながら。
あかいじゅうたんをふみつけて、あなたにあいにあそびにいくわ。
2006年7月26日