02.邂逅アダマンタイト
黒い車から降りてきたのは、金髪に青い瞳の優しげな男だった。彼はドアを開き、中へと手を差し伸べる。小さな手がそれに重ねられ、エナメルの靴がボンゴレの敷地を踏んだ。喪服のような黒いワンピースがふんわりと揺れる。まるで人形のような、美しい童女だった。
「はじめまして、ドン・ボンゴレ。おあいできてうれしいわ」
童女の挨拶に、綱吉は彼女の右手に唇を落として答える。
「はじめまして、ドン・ラガツァ。こちらこそお会い出来て光栄です。先代にはお悔やみ申し上げます」
「あのおんながばかだったのがいけないの。でもだいじょうぶ。チェカッセはちゃんとつぶしたもの。あのファミリーのしをはなたばにして、のしゅうめいしきはおこなわれたの。とてもすてきなおひろめだったわ」
「そうですか。それは残念。是非その場に居合わせたかったものですね」
「いっしゅうねんにはおまねきするわ。ぜひいらしてね」
「ありがとうございます」
綱吉が手を取り、童女を中へと導く。その様はまるで年の離れた妹を、もしくは娘をリードしている兄や父親のようだった。童女は部屋へと入る前に一度振り向き、金髪の部下に向けて声をかける。
「ヴィットーレ」
「かしこまりました。お待ちしております、ドン・ラガツァ」
頭を下げた彼に満足そうな笑みを浮かべ、童女は綱吉と共に会談の場へと消えた。ついていったのは獄寺一人で、他の守護者たちは男と同じくその場に残る。扉が締め切られると同時に、剣呑な空気が満ちた。
かわいいひとね、ドン・ボンゴレ。とうようからきたとしわかきゴッドファーザー。
2006年7月24日