彼女と彼女の指輪の話
二学期の初日。行われた席替えで少しばかりの細工を施した柳は、予定通りまたしてもの隣を陣取った。今度はアデルがの前の席になったので、ある意味柳としては満足の布陣と言える。なので柳は笑顔で隣人に声をかけた。
「そういえばは、東堂さんの誕生日にペアリングを貰ったんだろう? 指にはしていないようだが、是非見せてくれないか?」
「えっ・・・な、何で柳君、知ってるの?」
明らかに動揺したに、どうやら東堂は自分と会ったことを話していなかったらしい。おそらく柳が話して驚いた顔を楽しむことを予想していたのだろう。流石だな、と思いながら、柳はにやにやと笑って狼狽えるの様子をしばし楽しんだ。もちろんその間、アデルからは冷ややかな眼差しを注がれたが、一切無視だ。
そうして落ち着いた頃、はブラウスの第一ボタンを外し、チェーンに通された指輪を見せてくれた。アクセサリーの装着が校則では禁止されているため、悩みに悩んだ末の選択だという。尽八君がチェーンも一緒にくれたから、とは照れくさそうに笑う。幸せに溢れた表情に、淡いピンクの指輪はとても似合っていた。
しかし男の前でボタンを外すのは止めた方がいいぞ。
2014年4月20日