ゆっくりと、確実に、スピードを上げて。



恋が始まる。





Love me, I love you!(extra)





「・・・・・・・・・岳人、その顔どしたん?」
「あぁ、殴られた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちゃんに?」
「まさか。2-9の渡辺と加藤」
青紫に染まった左頬を指差して岳人は笑う。
「『俺とは釣り合わない』んだってさ」
「男の嫉妬ほど見苦しいものはないで」
「知らね、そんなの」
楽しそうに、岳人は笑う。
突付こうとして伸ばされた指はさすがに払ったけれど。
「・・・・・・岳人、このことちゃんは知っとるん?」
どことなく心配そうな声音に、岳人はさも当然のように頷いた。

「俺がに隠し事出来るわけないじゃん」



「・・・・・・・・・どこの誰だ?」
「3-1の横山と鈴木」
「大丈夫? さん」
「全然平気」
心配そうな眼差しを切り捨てては笑う。
「『私と向日は釣り合わない』んだって。笑っちゃう」
「女の嫉妬は醜いだけだ」
「まったくよ」
楽しそうに、は笑う。
赤みを帯びる頬に当てられた缶ジュースは受け取ったけれど。
「・・・・・・このこと、向日先輩は知ってるの?」
どことなく心配そうな声音に、はさも当然のように頷いた。

「私が向日に隠し事するわけないでしょ」



傷のついた顔をお互いに笑って。
それでも一緒に帰る放課後。
手は繋がずに、少しだけ微妙な距離を開けて。
ポツリポツリと話をしながら。
時々、笑って。



眼を合わせて、楽しそうに。



そんな二人を見送って呟く。
「結局さ、似たもの同士なんだよねー・・・・・・」
「向日とがか?」
「うん、そー」
眠そうに目を擦る。
「向日ってさー・・・・・・・なんだかんだいって、変なところで強いじゃん・・・?」
「あぁ、たしかにそんな感じだよな」
ちゃんは見ての通りだしー・・・・・・」
「あぁ、見ての通りだな」
思い出そうとすれば、一番に浮かぶあの眼。
肩を揺らして笑みを漏らす。
「でもまぁ、お似合いだと思うぜ」
「うん、俺もそう思うー・・・」
見送って、楽しそうに笑った。



捕食者の眼は、気持ちを得て穏やかさに変わる。
穏やかさに変えた眼は、気持ちを得て強さに変わる。
お互いに、感化して。
その恋は優しく。
強く。





Love me, I love you.





あなたが好きだから、私を愛して?





2003年6月26日