綺麗で気高くてまるで。
一輪の華のよう。
「バッカじゃないの?」
ホラ、綺麗。
Love me, I love you!(side Jiroh Akutagawa)
風がそよいで、葉っぱが音を立てて、木が影を作って。
最高のお昼寝場所。
そこでときどき会える、綺麗な女の子。
「元気? ちゃん」
返事はない。
返ってくるのは、本当にときどき。
でもそれでいい。
「・・・それなりにね」
「そう」
「アンタは?」
「俺は元気ー」
「あっそ」
「そー」
猫みたいだと思う。
可愛い、子猫。
猫。猫さん。猫さんやーい。
おいでおいで。
おいでよー。
あ、来た。
と思ったら行っちゃった・・・・・・。
ねぇ来てよー猫さん。
撫でさせてよー。
緩やかな日差しの下。
伸ばした手、ほんの少しの間だけ触ることを許してくれた。
猫さん、やわらかい。
可愛い。
かわいい。
「・・・・・・げんき?」
猫さん。
「元気よ。甘く見ないで」
「うん。ちゃんは強くてカッコイイもんね」
それで、可愛い。
「アンタが弱いだけじゃないの」
「そーかも。でもやっぱりちゃんは強いよ」
うん、こんなに。
「ちゃんは強いよ」
こんなに優しく、笑ってくれるから。
物好きだって言われた。
でもそれはみんなが気づいてないからだよ。
こんなに可愛くて綺麗でカッコイイちゃんにみんなが気づいてないからだよ。
気づいたら絶対、見ないでいることなんて出来ないんだから。
必ず、触れたくなる。
猫の爪に引っかかれたとしても。
「ねぇ、ちゃん」
手を伸ばしたくなる。
バリバリって、食べて?
指先、腕、足と身体。
心臓よりも目を後にしてね。最後までずっとちゃんを見ていたいから。
一番最後に、俺の目を食べて。
一口でパクッとじゃなくて、バリバリって歯を立てて。
俺のことを飲み込んでね。
それってけっこー幸せだと思うから。
「バッカじゃないの?」
笑うちゃん。
ホラ、幸せ。
2003年6月23日