恋の七日間戦争(感謝する火曜日)
告白されてちょうど一週間が経った。・・・・・・・・・もう、一週間・・・・?
っていうか時が経つの早すぎ。・・・・・・判ってる。俺の行動が遅かったってことでしょ、どうせ・・・・・・。
そりゃ俺も悪かったなぁって思うけどさ・・・・・・でもやっぱり、逃せないし。
・・・・・・・・・俺がを好きなのは本当だから、それだけはちゃんと言いたい。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・話があるんだけど」
朝一番、昇降口でを捕まえたら『今さら何の用?』って感じの顔をされた。
しかもタイムマシーンで帰れとか言ってるし・・・・・・。
の思考回路ってちょっと不思議だよね・・・・・・。うんでもまぁ、別にいいけどさ。
「・・・・・・戻る気ないし。っていうかわざわざ君のこと下駄箱で待ってたんだから、その態度はないんじゃないの・・・・・・?」
そう言ったらに土曜日に視線を逸らしたのは何で、と聞かれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・答えろっていうわけ?今、ここで。
俺は別にいいけどさ・・・・・・・・・が、嫌だと思うよ・・・・・・?
でもとりあえず検察には任せないし。ちゃんと自分の言いたいことくらい自分で言えるし。
はやっぱり聞く耳持たずって感じの顔をしてる・・・・・・。
なんかまた変なこと考えて思考の迷宮に入ってるんだ・・・。絶対、そう。・・・・・・かなり、そう。
まぁいいけどさ・・・・・・・・・逃げないでいてくれるだけ。
俺の話を聞いてくれるだけで、十分だから。
「好き」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って人がせっかく告ったのに、全然話聞いてないし。
やっぱ聞いてくれるだけじゃダメだ・・・・・・。ちゃんと理解してもらわないとねぇ・・・・・・?
ウサギさんって誰・・・? もしかして俺・・・・・・・・・?
それにしてもいつ俺がと付き合わないなんて言ったわけ・・・・・・・・・?
聞き返したらは平然と『ついさっき』なんて返してくるし。
・・・・・・・・・耳鼻科に行ったほうがいいんじゃないの・・・・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「ごめん、私これから耳鼻科に行ってくる。なんか幻聴とか聞こえるようになっちゃったし」
マジで行こうとして踵を返したの腕を掴んだ。
・・・・・・・・・あ、意外に細い。もっとがっしりしてると思ってたんだけど。
変な思考回路してて人の話聞いてなくてもやっぱり女の子なんだ・・・・・・・・・一応・・・。
・・・・・・見上げてくる目が俺をまっすぐに見てて。
俺はやっと、この目を見返すことが出来た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当に、やっと。
「俺はが好き。・・・・・・・・・・・・・・・・・・待たせて、ごめん」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・正直に言ったら、が泣いた。
へぇ・・・・・・なんかちょっと意外。まさか泣くとは思わなかったし・・・・・・。
頬に手を伸ばして涙を拭ったら、がビクッと身をすくめて逃げた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜遅いっ!」
「・・・・・・・・・ごめん」
「遅い遅い遅い遅いっ! もう諦めて次の恋愛しようと思ってたのに! それなのに何で今さら引き止めるわけ!? つーか遅すぎ! 一週間も何やってたのよ!?」
この一週間? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんか、色々・・・・・・・・・?
なんか本当に色々やってた気がする。こんなことなら初めからすぐに返事しておけばよかった・・・・・・。
ボケーッとそんなことを考えてたらにパンチを食らった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っていうか・・・・・・・・・痛いし。
たしかに一週間待たせたのは悪かったけどさぁ・・・・・・? でもそっちが悪いんじゃん。
「はぁ!? 一体何を言い出すんだこの人は!私のどこが悪いって!?」
が今にも俺の制服に掴みかかりそうな勢いで聞いてくる。
まぁ色々あるけどさ・・・・・・。明るすぎる声と顔で笑うところとかさ・・・・・・変な思考回路してて人の話をほとんど聞いてないとことかさ・・・・・・あの体のラインが丸判りのバスケのユニフォーム着てたりするとことかさ・・・・・・・・・まぁ、一杯あるけど。
・・・・・・でも、とりあえず一番はこれだよね・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・俺は、次のクラス替えに賭けてたのに」
同じクラスになって、知り合いから始めようって計画してたのに・・・・・・。それなのには勝手に告白してくるしさぁ・・・・・・まったく人の都合ってものを全然考えてないよね。思わず悔しくて『ちょっと待って』とか言っちゃったじゃん・・・・・・。しかも人の話も聞いてないし・・・。俺だって一年のときからのこと見てたのにさ・・・自分は杏ちゃんに言われるまで何にも気づかなかったんだって・・・? あー俺ってカワイソウ。机殴って満足するような女が彼女なんてね・・・。まぁいいけど、俺が選んだんだし。でも俺はテニス部だしはバスケ部でお互いに日曜も部活があるから大して出かけたり出来ないんだろうなぁ・・・。まぁそれは仕方ないけど。・・・・・・ってことは何・・・? ひょっとして今までとあんまり変わらなかったりするわけ・・・・・・? それじゃ恋人になった意味がないじゃん・・・。あ・・・判った、なるほどね・・・。あー・・・ならいいかも
・・・・・・・・・恋人になって得なこと、一個見つけた。
「・・・・・・・・・」
「何さっ!?」
「・・・・・・何でケンカ腰なわけ・・・?」
まぁどうでもいいけどさ・・・・・・・・・・・・・・・。
俺は少し屈んで、の唇に唇で触れた。
あー・・・・・・・・・思ってたより柔らかい。っていうかすごく柔らかい・・・・・・・・・?
とのキスってこんなに気持ちよいものなんだ・・・・・・。
「・・・・・・これが出来るから恋人になった意味もあるってものだよね・・・・・・」
うん、これならまぁ部活でデートとか出来なくても満たされるかもね・・・。
気持ちいいし・・・・・・なんとなく幸せな気分にもなれるし・・・・・・が俺の恋人だってことを周りに示せるし・・・・・・。
うん、上出来。
「・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」
反応がないから顔を覗き込んだら、は一瞬で真っ赤になった。
うわー・・・・・・・・・これも、意外。
、可愛い。
今まではなんとなくカッコイイとか明るいとかの方が勝ってたけど、今の表情はすごく可愛かった。
・・・・・・・・・・この笑顔も恋人である俺のものだよね・・・?
「・・・・・・・・・可愛い、」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」
「意外と可愛かったんだ・・・・・・。一個、発見」
「だーっもう! 止め! その会話ストップ!」
は真っ赤な顔をしながら手を振ったり俺をパシパシ叩いたりする。
・・・・・・・・・でも、それって逆効果だよね・・・・・・。
「・・・・・・・・・、可愛い」
間に合って良かったって、思った。
・・・・・・・・・俺がにキスしているのを橘さんは見ていたらしい。
まぁ昇降口だったし人もたくさんいたし・・・・・・見てても変じゃないかもね・・・。アキラと杏ちゃんも見てたらしいし・・・・・・・・・。
橘さんはその日の放課後の部活で俺を呼び出して、こう言った。
『生徒指導室に呼ばれるような付き合いだけはするんじゃないぞ』・・・・・・・・・と。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・とりあえず、『ほどほどにしておきます』と答えておいたけど。
恋愛って思ってたより厄介みたいだし・・・・・・どうなるかは、正直判らないかも。
でもやっぱり、まぁとにかく。
「・・・・・・、帰るよ」
「うん、オッケー」
俺とはめでたく恋人同士になれたのでした。
2003年5月6日