13:そんなに可愛いものじゃない
「おいで、スカル君」
呼んでくれる声に、広げてくれる腕。それらに戸惑いながらも、俺はどうしようもなく引かれてしまう。
小さな俺の手はまだこの人を抱きしめられなくて、抱きこむように、縋るようにしか触れられないけど。
伝わる熱に息を吐き出す。俺はこのときだけ、呼吸が出来る気がしてならない。
この人に触れている、ときだけ。
初めてこの人に縋ったのは、とてもとても小さな頃だった。
リボーン先輩とコロネロ先輩にパシられて、散々な目に遭ったとき。
現れたあの人は、苦笑しながらも俺の名を呼んでくれた。
腕を広げて、大丈夫だよ、とでも言うかのように。柔らかな声で、そっと。
『おいで、スカル君』―――と。
俺は敵対ファミリーの人間だというのに、ドン・ボンゴレは今も定期的に俺を呼んでは、あの人と会わせてくれる。
何故、と聞いたことがある。そうしたらドン・ボンゴレは昔から変わらない、どこか弱そうな笑顔で答えた。
『スカルは、俺と同じだから』
それがどういう意味なのか、今はようやく判る気がする。
俺はもう、さんに縋らなくては生きていけない。
あなたを抱きしめるときだけ、俺は俺でいられるんです
2006年2月25日