02:どうか後ろを振り向かないで
沢田さんという方は、十代目の叔母に当たる方で、俺としてはいくら礼儀を払っても足りない方だ。
十代目はさんをそれはとても大切にされているし、さん自身も仕事は早くて的確、同じボンゴレの仲間として申し分ない。
だけど、さんは十代目のものだ。恋人とかそんなんじゃないだろうとは思うけれど。
支えであることは間違いない。だから。
出来る限り優しく背中に手を回し、細い身体を腕の中に収める。
振動を悟られぬよう、静かに、そっと。
皴一つなかったシーツが、さんの重みを受けて僅かに軋んだ。
「・・・・・・おやすみなさい」
安らかな寝顔に微笑を一つ。俺に出来るのはここまで。
机の上に広がっていた書類を整理し、音を立てずに部屋を後にする。
俺の話は別に急ぐ仕事でもないし、明日で十分だ。だから。
あなたはどうか、安らかな夢を。
幸せな夢を俺は作ることは出来ないけれど、その夢を守ることなら出来るだろうから。
静かにそっと、彼女の傍を離れた。
気づかないで気づかないで、どうか知らない振りをしていて下さい
2006年1月22日