実はずっとやってみたかったけれど、無理だったから諦めていたことがある。
よもやまさかそれを実践することが出来るだなんて! あぁ、この世界に来てよかった! ありがとう、ブロック!
「というわけで、。大人しく捕まりなさい」
「え、えええええええええええっ!? で、でもっ!」
「大丈夫、シュウさんに三時間のお休み貰ってきたから。ハイおいでー」
「あ、うわ・・・・・・っ!」
両手を広げても飛び込んでこないを、無理やり引っ張って抱きしめた。
見下ろせば、自分で言うのも何だけど中々に豊満な私の胸で、真っ赤になっている
ぎゅーっと抱きしめる腕に力を込めると、あわあわと抵抗しだしたから、胸に押し付けることによって食い止める。
いたいけな青少年にはちょっと辛いかもしれないけど、まぁ許してくださいな。

だって『年頃の男の子をからかうお姉さん』ってシチュエーション、一度やってみたかったから!





可愛い男の子は好きですか?





ついさっき、たまたま『真なる愛の紋章』を使うことになった私は、今は28歳の容姿をしている。
大人バージョンの私をビクトールさんやジーンさんたちは喜んでくれるんだけど、でもこの格好のまま城内をうろつくと事情を知らない人にいちいち説明しなくちゃいけないため、しばらく部屋に篭ろうと思ったら。
目の前に可愛い子羊―――否、を発見!
ピコーンと長年の野望を思い出して、即行でシュウさんにのお休みを貰いに行っちゃったよ! でもって三時間もぎ取ってきちゃったよ!
うん、やっぱり自分の望みのために労力は惜しまないね! そんな私が大好きだよ!
というわけでを捕獲し、私の部屋に引きずり込むことしばし。
うーん・・・ずっと抱きしめていたからなのか、は真っ赤になって俯いてしまった。勿体無いなぁ、その可愛い顔が見たいのに。
ー?」
首を傾げて覗き込めば、ぷいっと顔を逸らされた。うん、そんな反応も可愛い! 可愛すぎて素敵!
「ごめんね? 怒った?」
「・・・・・・・・・怒ってはいないですけど・・・」
「じゃあ、気持ちよくなかった? 私の胸」
ちょっとセクハラ発言をしてみたら、はものすごい勢いで顔を赤くして、唇を噛み締めて睨んできた。
・・・・・・・・・可愛い。やルックじゃ見られない反応だよ・・・・・・! 新鮮! 新鮮すぎる!
「・・・・・・さん」
「んー?」
「ちょっとそこに座って下さい」
「ん」
示されて、ちょこんとベッドの上に正座すると、と向かい合う体勢。床が畳なら説教モードに突入状態?
それでも全然構わないけどね。だってじーっと一生懸命に睨んでくるが可愛すぎるし!
こんなが見られるなら一時間でも一日でも説教されようじゃありませんか! その間中ずーっと目の保養をさせてもらうよ!
さん」
「はい」
「・・・・・・何でこんなことするんですか? 僕が困ってるのがそんなに楽しいですか?」
「楽しいっていうのはちょっと違うかな。どちらかと言えば嬉しい。可愛いを見るのが好きなの」
「っ・・・・・・可愛いって言われたって嬉しくありません!」
「私ね、ずっと夢だったんだ。大人の女性になって、かっこかわいい男の子をからかって遊ぶの。だけど身体の成長は18歳で止まっちゃったじゃない? だからずっと無理だと思ってたんだけど・・・・・・こっちの世界に来て、その願いが叶えられるようになったから嬉しくって」
聞きようによってはいろいろとヤバイだろう言葉を織り交ぜつつ、少しだけ笑ってみせる。
そうするとは言葉に詰まって目を見開いた。その表情に悲しい色が見えるから、私の『ちょっと寂しげスマイル』は大成功したらしい。
うーん、この大人バージョンを習得してから、ずいぶんと役者にも磨きがかかってきた気がするよ。そのうちハリウッドでも目指すかなぁ。
「でも、は嫌だったよね。ごめんね?」
ダメ押ししてみると、は慌てた様子で首を振った。
「そんな・・・・・・っ! 嫌っていうか・・・その・・・・・・っ」
「恥ずかしい?」
「そうです! さんはそうは思ってないだろうけど・・・・・・僕だって、男なんですからっ!」
耳まで、首まで真っ赤にして、それでもじーっと視線は外さないで言う
・・・・・・・・・何て言うか、もう。
「かーわーいーい――――――っ!」
「わぁ・・・っ! だ、だからさん・・・!」
「可愛い! 可愛いよ、! うん、マジでいい!」
あまりの可愛さに、ぎゅっと抱きしめる! なんかまた暴れてるけど、でもいい! この可愛さの上では意味無しだね!
愛でたい美少年リストにはフッチやサスケも入ってたんだけど、を一番最初にして良かったよ! さすが私、見る目ある!
「そんな可愛い君には選択肢を三つ差し上げましょう! はい、A・B・Cのどれにする?」
「えっ!?」
「選んだ項目によって、これからされる行為の内容が変わりまーす。もしかしたら手を繋ぐだけかもしれないし、もしかしたら大人の階段を上っちゃうかもしれないねぇ。さぁ、どれにする?」
「ええっ!?」
「ちなみに拒否権は撤去されましたー。5秒以内に答えないとA・B・Cのすべてが実行されまーす」
「え!」
「ごー」
「ちょ、ちょっと待って・・・!」
「よーん」
さんっ!」
「さーん」
「だから・・・っ!」
「にー」
「・・・・・・っ」
「いーち?」
思い切り羽交い絞めにしたまま、にっこりとお姉さんな笑顔を浮かべてみせる。
さぁ、覚悟は出来た?
「ぜー・・・・・・」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜B! Bでお願いしますっ!」
ぎゅうっと目を閉じて真っ赤な顔で叫んだのおでこにキス一つ。
ぱちくりと目を瞬いた彼に優しく笑って。
さぁ、あと二時間ちょっと、楽しませてもらいましょう!

「いただきます♪」





2005年6月17日