美人さんが好きです。ええ、そりゃもう大好きです。
綺麗なお姉さんは好きですか?
「なので同盟軍に来て本当に良かったです。ここだと右向いても美形、左向いても美形ですし」
にっこりと笑顔でそう言うと、レオナさんは楽しそうに笑って下さった。
うん、やっぱり同盟軍に来てよかった。だって少なくとも酒場に来るだけでこんな美人さんに会えちゃうし!
赤いチャイナ系ドレスと煙管の煙が眩しいです。そしてスリットから覗く生足万歳!
「そういえばあんた、ジーンとお茶をしていて会議をすっぽかしたんだって?」
「そんな人聞きの悪い。ジーンさんの美しさに見惚れてたら時が経つのを忘れちゃっただけですよ」
「が泣きそうだったってビクトールが言ってたよ。まったく、悪い女だねぇ」
「もちろんみたいな可愛い系美少年も大好きですよ? でも会議だとみんな揃って難しい顔してるから、観賞側としてはつまらなくって」
「はは、確かに会議だとそうだろうね」
笑い声をあげるレオナさんは美人。うーん。どうしよう。美人以外の形容詞が思い浮かばないよ。
こんなことなら国語をもっと真面目に勉強しとくんだったなぁ。ホグワーツに入ってからは魔法関係ばっかりだったし、マグル学問もやっぱりさらっておくべきだったよ。
「それで? 一番好みなのは誰なんだい?」
「それはもちろんレオナさんですよ」
「お世辞はいいから。この軍には美形が多いんだろう? だったらお気に入りくらいいて当然だしね」
どこか楽しそうに笑うレオナさん。本気で口説いたのに断られちゃった。
まぁレオナさんみたいな美人さんなら、そう容易く口説けないのは分かってるからいいんだけど。むしろそうでいてほしいとも思ったりするし?
「そうですねぇ・・・・・・」
とりあえず言われたとおり、同盟軍にいる人々の顔を思い浮かべてみる。
「アニタさんは立ち姿が麗しいですし、エミリアさんは知的でロマンティックなところが愛らしいですし、オウランさんのパワフルなところは見習いたいですし、ジーンさんはミステリアスなところが素敵ですし、シエラさんは容姿と老獪のギャップが魅力ですし、タキさんの抱擁力はさすがだと思いますし、テレーズさんは頑張り屋だから応援したいですし、バーバラさんの活気溢れる声が聞けると嬉しいですし、バレリアさんの剣を揮う姿は格好いいですし、ハンナさんは無口ですけどさりげに親切ですし、ヒルダさんの献身は羨ましいですし、ヨシノさんの優しくて強い心も、ラウラさんのオリエンタルな雰囲気も、ロウエンさんのしたたかなところも、ローレライさんの夢を求め続けるところも、もう亡くなってしまわれましたけどアナベルさんの男性に負けない辣腕なところも、全部全部好みです。他にもアイラもアンネリーもアップルもエイダもカスミもカレンもテンガアールもトモもナナミもニナもビッキーもピリカもミリーもメグもユズもリィナもリリィもみんなみんな可愛くて大好きです。もう本当に同盟軍に入って良かったですよー」
うふふーみんな大好きー。
心底本気で言ったのに、何故かレオナさんは額に手を当てて肩を落としてしまわれた。
ぽんっと肩に手を置かれて振り向けば、いつの間にかそこにはの姿が。その向こうにはブルー眩しいフリックさんや笑いを堪えているらしいビクトールさん、どこか不機嫌そうだけどやっぱり美少年なルック他数名の方々が。
あれ、ひょっとしてもう会議終わった? 今日はレオナさんの美しさに時を忘れてたよ。うーん、やっぱり美しいのは罪だねぇ。
「さん・・・・・・男はダメなんですか・・・・・・?」
いや、そんな今にも泣きそうな顔で言われても。
めそめそと眉を下げるの頭を撫でて、にっこりと笑ってみせた。
「ごめんね? とりあえず私、綺麗なお姉さんが大好きなんです」
2005年6月14日