アルバイター魔女っ子SEED編おまけ(クロト&不破)





「ふむ、これが例の『γ-グリフェプタン』の被験者か。『魔女っ子特製薬・元気になぁれ!』の副作用は被験者が『γ-グリフェプタン』の禁断症状を完全に克服した際に発祥するものだからな。ということはすでにこの被験者は正常な健康体に戻ったということか」
「・・・・・・・・・」
「色はオレンジ。見事な均一色はさすがと言った所か。肩から腰にかけて幅広く、体格も小さく丸い」(片手で鷲掴みにし、キッチンの計量ばかりに乗せる)
「!」
「暴れるな。正確な値が量れん。・・・・・・体重1.1キログラム。耳の長さは5.5センチメートル。目の周りは均等に黒で縁取りされている。ふむ、これならばコンクールなどに出しても入賞できるくらいの理想的な外見だな。もっとも色が白ならだが」
「・・・・・・・・・」
「ドワーフホトは基本的に活動的で非常に人なつこいと言われている。好奇心旺盛であるが、同じウサギの一種であるネザーランドのように臆病ではない。この種類を抱きかかえて外出する飼育者も少なくないと言うが」(片手で鷲掴みにする)
「!!」
「ウサギを抱えて外出し、一体どうするのだ? 散歩ならばウサギ本体に歩かせなければ意味がないだろう。見せびらかすのが目的ならばコンクールに出展すればいい。こう抱えていては買い物の際に邪魔になり、万が一暴れた際には腕の中から落ちて車にも轢かれかねん。やはり首輪とリードは必須だろう」(オレンジ色の首輪とリードをくっつける)
「!」
「ドワーフホトは小さな個体であるので少ないスペースで飼うことができるな。子うさぎの時期を過ぎてしまうと病気や飼育の面でとてもトラブルが少ない種類とも言える。この種はソアーホックになる個体も少なく楽な種類だが、まぁその点に関してはのことだ、問題あるまい」
「・・・・・・・・・」
「しかし研究対象としては興味がある」
「!」
が言うには『魔女っ子特製薬・元気になぁれ!』を持ってしても、強化された肉体は戻せなかったと言っていた。ならばこの被験者の肉体は一般的な人間よりも優れているのだろう。そして被験者=ウサギの公式により、その強化的な肉体はウサギの状態でも維持されていると思われる」
「・・・・・・・・・」
「ウサギは後ろ足で地を蹴って移動する生き物だ。故に発達するならば後ろ足だと考えるのが妥当だろう。しかし外から見ている限り、このウサギの後ろ足は他のドワーフホトに比べて特に異なっている様子はない。だとすると筋肉の質が違うということになる」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・バラすか」
「!!!」



ちゃん、ドワーフホトがさっそく人権を侵害されそうだよ」
「不破とクロトさんだと不破の勝ちっぽいし、じゃあちょっと回収してこようかな。多紀、ワッフル残しておいてね」
「紅茶も用意しておくよ」





2005年1月24日