エデンの林檎





「葛城三佐」
「なぁに、君? 何か用?」
「少々お尋ねしたいことがあるのですが、宜しいでしょうか」
「何、あたしの誕生日? それとも携帯番号? スリーサイズは秘密なんだけど、君になら言っちゃおうかしら」
「エヴァンゲリオンは一体何で造られているのですか?」
「エヴァは鉄やアルミなどから・・・って話じゃなさそうね」
「そういった話ならば赤木博士に伺います」
「それじゃ、中身ね。あなたの乗っているエヴァは零号機をベースに造られたから、大まかな基礎は零号機と同じ。第壱使徒、または『生命の起源』と呼ばれるアダムから作製されているわ」
「アダムとは男ですか? それとも女ですか?」
「は? えぇと・・・・・・まぁ、使徒に性別があるかどうかは不明だけど、名前から見る限り男じゃない? それがどうかした?」
「いえ、それならば結構です。ありがとうございました」
「はぁ、どういたしまして。・・・・・・あっ、そうだ! 今度、新型の初号機の起動実験があるんだけど、君が良かったらパイロットをやってくれない? シンジ君たちと比較してみたいのよ」
「・・・・・・初号機は何から出来てますか?」
「第弐使徒リリスからよ。リリスはアダムの対となる存在と言われているから、おそらくおん」
「お断りします」
「え、ちょっと待ってよ・・・・・・!」



葛城ミサトは後日、知ることになる。を初号機に乗せるとどんなことが起こるのか。
「・・・・・・・・・あの子、女に好かれるフェロモンでも撒き散らしてるのかもね・・・」
パイロットを放そうとしない初号機を半ば呆れた眼差しで眺めながら呟いた上司に、オペレーターたちが不思議そうに首を傾げた。





シンクロ率など、もはや問題ではないらしい。
2006年3月17日