陽だまりのような
温かい場所
ずっと欲しかった



もう、放さない





a godchild did godless doings





「な、。今度は俺とやらへん?」
関西弁で話すのは忍足さん
忍足侑士さん
「シングルスは最近ようやってへんけど、とならやってみたいんや」
初めて言われる言葉に思わず目を見開いた
そうして頭を撫でられる
温かくて、少しだけくすぐったい
「テニス部に入ったら、すぐ試合しよな?」
温かすぎる約束に頷いて
忍足さんは、温かい



ってダブルス出来んの?」
覗き込むように聞いてくるのは向日さん
向日岳人さん
「双子でしかやったことない? じゃー今度は俺とやろうぜ! 全部教えてやるし!」
初めての誘いに俺は頷いた
見上げる明るい笑顔
眩しくて、綺麗
「シングルスじゃ負けるだろうけど、ダブルスじゃ絶対負けないし! 一緒にやろーな!」
明るすぎる約束に頷いて
向日さんは、明るい



「すっげー上手いのな、テニス」
楽しそうに話しかけてくるのは宍戸さん
宍戸亮さん
「あの跡部の横を抜いたショット、あれどうやったんだ? 教えてくれねぇ?」
上を目指す言葉に嬉しくなって
だからちゃんと頷いた
楽しそうに、宍戸さんは笑った
「俺はダブルスもシングルスもやるからさ、今度対戦しよーぜ」
楽しすぎる約束に頷いて
宍戸さんは、楽しい



「コントロール、すごく正確だね。うらやましいなぁ」
穏やかに話しかけてくるのは鳳さん
鳳長太郎さん
「俺はサーブがあんまり決まらないから。でもスピードには自信があるよ」
弱気で、でも確かな強気
その姿勢が嬉しかった
穏やかに、鳳さんが俺を見る
「今度試してみる?」
穏やかな約束に頷いて
鳳さんは、穏やか



めちゃくちゃ上手いじゃん! スッゲー! 俺さっき見ててワクワクしちゃったよ!!」
柔らかい声で話しかけてくるのは芥川さん
芥川慈郎さん
「今度は俺としよ! シシシー、俺も結構上手いよ? ともいい勝負できるもんねー!」
柔らかな声に興奮を載せて
笑う顔が幼くて、でも強そうで
柔らかく、ニコニコと笑う
「約束だよ? 一緒にテニスしたりお昼寝したりしよーね!」
柔らかな約束に頷いて
芥川さんは、柔らか



「お疲れ様でした」
低い、それでいて優しい声で話しかけてくるのは樺地さん
樺地宗弘さん
「パワーをつければ、もっといいと思います。・・・・・・小柄だから、まだ無理かもしれませんけれど」
優しい言葉で俺の弱点を突いてくる
でもそれは当然すぎることだから
言われても素直に頷けた
「四月が、すごく楽しみです」
優しい約束に頷いて
樺地さんは、優しい



「おい、
一際強い声が、心に響く
跡部さん
跡部景吾さん
「テニス推薦にはもう遅すぎる。一般入試で必ず合格しろよ」
強くて傲慢で、でもそれがとてもよく似合って
自然と笑顔になる
この人と出会えたことが嬉しい
「必ず、ここに来い」
強い約束に頷いて
跡部さんは、強い



決めた



俺は氷帝テニス部に入る



もう、決めた



欲しかった
見つけた
得られた
もう手放さない



ごめんなさい、父さん
俺はあなたの期待に応えられそうにない
だけど、これが俺の欲しいものだから



ごめん、リョーマ
俺は手を離すよ
もうおまえの隣にはいられない
俺は、見つけてしまったから



リョーマじゃなくて俺を欲してくれる人を、見つけてしまったから



だから、さよならだ





2003年3月27日