目が覚めたとき、は自分が泣いていることに気づいた。
夢の中で見た、大切な人。
あふれる雫が頬を伝って、それが信じられなかった。
「・・・・・・・・・俺、まだ泣けたんじゃん」
嘲笑って涙を拭った。





世界中の愛を、君に





クリスマスが終わって、新年を迎えて、日々は静かに過ぎていった。
は独りの時間を持て余すことなく、本を読んだり実験をしたり、ときにはうたた寝をしたりして過ごしている。
それは何よりも贅沢で、何よりも哀しいこと。
けれどは幸せだった。
そんな日々が自分には相応しいと思った。
ホグワーツに行って友人たちと再会し、新しい出会いを得て、けれど独りでいることが自分にとって一番なのだと思う。
好きだし、嫌いじゃない。ならばそれで十分。
は独りでいることに慣れていた。
独りで、愛しい者を思うことに慣れていた。
そしてそれが幸せだった。



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琴線に何かが触れては身を起こした。
心が騒ぐ。何か、何か予感がする。
焦りそうになる左胸を押さえて、一つ、二つ深呼吸して目を閉じた。
ドクドクと、心臓が鳴る。
意識を集中させる。遠くのものまで見えるように、大事な人を見つけられるように。
震える指を握り締めたら、着ていたシャツに深い皺が刻まれて。
額に汗が浮かぶ。
「・・・・・・セブルス・・・・・・リーマス・・・・・・ルシウス・・・・・・クィレル・・・・・・ヴォルデモート・・・・・・」
一人一人確認するように名前を呼んで、顔を思い描いて。
「ミネルバ・・・・・・ハグリッド・・・・・・ロン・・・・・・ハーマイオニー・・・・・・ドラコ・・・・・・」
うるさい心臓を押さえようと左胸を押さえて。
どうか、どうか。
「・・・アルバス・・・・・・・・・?」
脳裏に、透けるような銀色が見える。
それが何か理解したとき、もう見ていられずに目を開けた。
「・・・・・・・・・・・・あ・・・っ・・・・・・」
汗が流れる。抑えきれないくらい手が震える。全身が、ガタガタと音を立てる。
「・・・なん、で・・・・・・・・・っ」
信じられないと、頭を振って。
嘘だと、思いたくて。
「なんで・・・っ・・・・・・・・・ぁの、鏡がっ・・・・・・」
泣くのを堪えて立ち上がった。



「―――――――――ハリー!」





2004年8月10日