<鹿目筒良生誕記念2>





9月25日



自宅のリビングにある白と黒の簡素すぎるカレンダーに、赤い花丸。
微妙に丸文字で、大きくキッチンからでも見えるように。



鹿目筒良の誕生日!!



書いたのはもちろん、本人だ。
そしてその下に『覚悟してるのだ!』と書いたのも。
まったく、何考えてんだか。せっかくの誕生日なのに。
大人しく俺に甘やかされてればいいのにな?



今は鹿目先輩の家に帰るため、一緒に道を歩いてる途中。
夕方ももう暗くなってきたな。
そろそろ夜出歩く時間も変え始めねぇと。
俺、寒いの好きじゃないし。



隣を見るとピンクの頭が目に入る。
ピンク。不自然を通り越して自然なピンク。
不自然を通り越して当然のように隣にいる存在。
いつからこんな風に一緒に帰るようになったんだっけ?
明確に覚えていない、ってことはいつの間にかってことか。



俺より10cm小さい身長は抱きしめるのに丁度いいからスキ。
王様でワガママな性格もまぁ許容範囲内。
何度もマメを潰して硬くなった手の平は尊敬に値するし。
意外とキスが上手いのもヨシとしよう。
こう考えるとスキなところは割りとある。
本人は知らないみたいだけど?



たぶん、家に着いたらまた突拍子もないことを言い出すんだろうな。
「僕の誕生日だから僕の言うことを聞くのだ!」とか言いそうだし。
ま、無理すぎることは言わないから別にいいけど。
なんとなく、何を言うか分からないでもないし?



今日は口に出して言ってあげようか?
せっかくのアンタの誕生日だし?



アンタが俺をスキな限り、俺はアンタを愛してるよ。





2002年9月26日